書評:『死神の精度 Accuracy of Death』伊坂幸太郎/文春文庫

調査部に所属する死神、通称 千葉を主人公とした短編集。死神の精度 (文春文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/02/08メディア: 文庫購入: 24人 クリック: 178回この商品を含むブログ (498件) を見る ?CDショップに入りびたり?名字が…

書評:『極北クレイマー』海堂尊/朝日新聞出版

これまで4作を書評してきた桜宮サーガこと『チーム・バチスタの栄光』から始まる一連の作品シリーズの番外編的な位置付けと言える作品。極北クレイマー作者: 海堂尊出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2009/04/07メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 51…

書評:『パズル・パレス』ダン・ブラウン/角川文庫

『ダヴィンチ・コード』が大ヒットして一躍有名になったダン・ブラウンのデビュー作が文庫化。3年前にハードカバーで出版されていたが、文庫化を待っていたら3年も待たされてしまった。おそらく映画『天使と悪魔』の宣伝を兼ねての発刊。パズル・パレス 上 (…

書評:『俺だって子供だ!』宮藤官九郎/文藝春秋

奥さんからの誕生日プレゼント?な1冊。前半戦はトイレ本として、後半戦は通勤本として、いやいやかなり楽しませていただきました。俺だって子供だ!作者: 宮藤官九郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/10メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 87回この…

書評:『日本文学者変態論』爆笑問題(太田光)/幻冬舎

芸能本?の例外対象、爆笑問題の太田光が『ダ・ヴィンチ』に連載する日本史原論における文学者シリーズ。日本文学者変態論―日本史原論作者: 爆笑問題出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/03メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (11件) を…

書評:『動的平衡 Dynamic Equilibrium 〜生命はなぜそこに宿るのか』福岡伸一/木楽舎

2007年6月に「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書)、2008年11月に「できそこないの男たち」(光文社新書)を書評させて頂いた福岡伸一氏の書籍。動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか作者: 福岡伸一出版社/メーカー: 木楽舎発売日: 2009/02/17メディア: 単行…

書評:『チルドレン』伊坂幸太郎/講談社文庫

短編集、なのだけれども1冊の本にまとまるとみごとに長編ともいえる作品。各作品は2002年から2004年まで、2年間にわたって1作ずつ発表されていった作品なのに、話のつながりや時系列のリンクなどを作品に絶妙にリンクを仕込む伊坂幸太郎ワールドがぎゅっと詰…

書評:『レタス・フライ LETTUCE FRY』森博嗣/講談社文庫

森博嗣の作品の中でも、特に短編は面白いのだが難しい。非常に深く練られていて精密細工のように組み立てられているのだが、それを解き明かす情報は極端にそぎ落とされている。本に初心者向けも上級者向けもないと思うが、本作から森博嗣を読み始めるのはあ…

書評:『ラッシュライフ』伊坂幸太郎/新潮文庫

伊坂幸太郎3冊目。今のところ、本作がNo.1に昇格。交錯する人生模様を描いた本作はミステリィでもラブストーリーでもない、新しいスタイルの小説といったら言い過ぎだろうか。ラッシュライフ (新潮文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005…

書評:『重力ピエロ』伊坂幸太郎/新潮文庫

重力ピエロ (新潮文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/06/28メディア: 文庫購入: 19人 クリック: 204回この商品を含むブログ (830件) を見る 兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。そ…

書評:『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎/東京創元社(創元推理文庫)

本屋さんに行ったら伊坂幸太郎コーナーのように平積みでどっと著作が並んでいたのでちょっとジャケ買い。どの作品にしようかちょっと悩んだのだけれども、『「一緒に本屋を襲わないか」標的は、たった一冊の広辞苑!?』というオビ広告に惹かれてまずはこの作…

書評:『スカイ・イクリプス Sky Eclipse』森博嗣/中公文庫

2008/4〜5に書けて書評をUpしたスカイ・クロラシリーズの番外編、というか追加短編集。スカイ・イクリプス―Sky Eclipse (中公文庫)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/02メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 23回この商品を含むブログ (6…

書評:『我輩は施主である』赤瀬川原平/中公文庫

施主本の1つではあるのだが、この本はフィクション?ノンフィクション?書き綴られている文章はとても面白いのだが、家に対する苦悶や取捨選択、こだわりなどという意味ではちょっと庶民感覚とは違っていて身近に感じられる内容ではなかったのはちょっと残念…

書評:『宇宙創成』サイモン・シン/新潮文庫

最初に断っておくと、本書、実は2006年8月に書評している『ビックバン宇宙論』の文庫化に伴うタイトル改訂版。…というわけで、読むのは2回目、ということになる。それでも最後まで読み込ませるだけの没入感を得られる著者の筆力には脱帽。訳者の力量もあると…

書評:『世界でたったひとつのわが家』大平一枝/講談社

下北沢のコーポラティブハウス建設の顛末を綴った『自分たちでマンションを建ててみた。〜下北沢コーポラティブハウス物語〜』の著者、大平一枝氏の「住んでみて思ったこと」を綴った記録。期待していたのだが、思ったほどの内容ではなかったが、参考になる…

書評:『9坪ハウス狂騒曲』萩原百合/知恵の森文庫・『9坪の家』萩原修/廣済堂出版

9坪ハウスを「過去の建築史の1ページ」という存在から「現在実現可能な豊かな生活のための小さな実験住宅」として復活させたきっかけとなった『スミレアオイハウス』のオーナー夫妻がそれぞれ記した建築記。いわゆる施主本。建て主という立場で家づくりに関…

書評:『箱の家に住みたい』難波和彦/王国社

木の家に住まおうとする人間として、その起源たる箱の家について知らぬというワケにはいきませぬので(^_^;)。箱の家に住みたい作者: 難波和彦出版社/メーカー: 王国社発売日: 2000/09メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (15件) を見るAmaz…

書評:『理性の限界〜不可能性・不確実性・不完全性』高橋昌一郎/講談社現代新書1948

とても面白かったのだが、新書1冊にまとめるにはあまりにも幅広く・奥深いテーマを扱っているがゆえに読み終えてもまだすっきりはしない…。しかし哲学に興味がない私でもこうした主義・主張を超えた議論のようなかたちで展開されている本書であればそれぞれ…

書評:『もえない Incombustibles』森博嗣/角川書店

森博嗣のノンシリーズものミステリィ作品なので、まぁノベルズ版でもよいかと。 もえない Incombustibles (カドカワ・エンタテインメント)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/12/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 1回…

書評:『人生の教科書「家づくり」』藤原和博/ちくま文庫

家づくりシリーズ継続中。人生の教科書 家づくり (ちくま文庫)作者: 藤原和博出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/11メディア: 文庫購入: 1人 この商品を含むブログ (12件) を見る本書は杉並区和田中学校の民間出身校長として有名な藤原和博氏による自邸…

書評:『ぼくらのいえができるまで』川上夏子/書肆侃侃房

家づくりプランニング中なので、頭の中も大半が家づくりモード。自然に読む本もそれ系中心となります(^_^;)。ぼくらのいえができるまで作者: 川上夏子出版社/メーカー: 書肆侃侃房発売日: 2005/07/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 3…

書評:『イノセント・ゲリラの祝祭』海堂尊/宝島社

正月読書シリーズ最終回(^_^;)。イノセント・ゲリラの祝祭作者: 海堂尊出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2008/11/21メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 38回この商品を含むブログ (157件) を見る田口・白鳥シリーズ最新作。これが読みたかった故に『ジェネ…

ひらけ!なんきんまめ

幼なじみが絵を描いている本が発売されていたので宣伝(^_^;)。ひらけ!なんきんまめ (おはなしだいすき)作者: 竹下文子,田中六大出版社/メーカー: 小峰書店発売日: 2008/11メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る実家に頂いた本が…

書評:『ジェネラル・ルージュの凱旋』海堂尊/宝島社

冬休み読書シリーズ(^_^;)。ジェネラル・ルージュの凱旋作者: 海堂尊出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2007/04/07メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 87回この商品を含むブログ (261件) を見る文庫版が年明け1/8に刊行されるようだが、文庫版でも上下巻で各…

書評:『だから言わんこっちゃない〜崖っぷち会社信徒逆襲の手引き』爆笑問題/小学館

タレント本?ってまったく興味がないんですが、なんでだろう、爆笑問題の本だけは買っちゃいます。だから言わんこっちゃない―崖っぷち会社信徒逆襲の手引き作者: 爆笑問題出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/12/10メディア: 単行本 クリック: 3回この商品…

書評:『探偵伯爵と僕 His name is Earl』森博嗣/講談社文庫

久々の森博嗣。そういえば、10月刊行の『議論の余地しかない』はまだ買っていないなぁ…。探偵伯爵と僕 His name is Earl (講談社文庫)作者: 森博嗣,山田章博出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/11/14メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 13回この商品を含む…

書評:『生命保険はだれのものか〜消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと』出口治明/ダイヤモンド社

本書は単なる書評対象に留まらず、多くの意味で読むことに価値のある1冊であった。そしてきっと、あなたにとってもまた読む価値のある本である可能性がとても高いのではないかと思う。1500円の本書は多くの人にとって、とても得るものが多い、安い買い物にな…

書評:『螺鈿迷宮』(上)(下) 海堂尊/角川文庫

私が読んだ海堂尊作品としては、『チーム・バチスタの栄光』、『ナイチンゲールの沈黙』に続く3作品目。本作品は田口・白鳥コンビが中心となって展開される本シリーズではないが、共通の舞台(世間ではこの舞台を「桜宮サーガ」というらしいけど)、重なる登場…

書評:『INSIDE STEVE'S BRAIN スティーブ・ジョブズの流儀』リーアンダー・ケイニー/ランダムハウス講談社

Apple/Steve Jobs評本の新作。アップルの取材を12年以上続けている著者による作品なので、非常に丁寧に取材を重ねた結果として創り上げられた作品であることがよくわかる仕上がり。スティーブ・ジョブズの流儀作者: リーアンダーケイニー,三木俊哉出版社/メ…

書評:『できそこないの男たち』福岡伸一/光文社新書371

『生物と無生物のあいだ』が(おそらく)予想を超えた大ヒットとなった理工学部教授、福岡伸一氏の新しい新書作品。またまたやられた、とったかんじでとても面白い1冊だった。できそこないの男たち (光文社新書)作者: 福岡伸一出版社/メーカー: 光文社発売日: …