書評:『パズル・パレス』ダン・ブラウン/角川文庫

ダヴィンチ・コード』が大ヒットして一躍有名になったダン・ブラウンのデビュー作が文庫化。3年前にハードカバーで出版されていたが、文庫化を待っていたら3年も待たされてしまった。おそらく映画『天使と悪魔』の宣伝を兼ねての発刊。

パズル・パレス 上 (角川文庫)

パズル・パレス 上 (角川文庫)

パズル・パレス 下 (角川文庫)

パズル・パレス 下 (角川文庫)

デビュー作からぐいぐいと引き込ませる筆力はさすがなのですが、やはりデビュー作ということもあって『ダヴィンチ・コード』や『天使と悪魔』と比較するとちょっとまだ手慣れていない感が多少ここそこに。また、原作としては1998年に刊行されているということもあって、本作のキーポイントとなっている暗号化やインターネットからの接続、進入に関する描写などが今となってはほほえましい感じすらあるのだが、それでも1998年の時点でこれだけの状況を見越していたことは逆に著者の先見性ともいえるかもしれない。
まもなく次回作も届きそうということで、新作はハードカバーでも買っちゃいそうです。