Cisco UCS Manager Plug-in for VMware vSphere Web Client

CiscoVMwareと仲良しなのでლ(´ڡ`ლ)、ACIだけでなくUCSのvCenter Pluginもきっちり提供されている。それがこのUCS Manager Plug-in for VMware vSphere Web Client。もちろんこちらも追加コストなどなく利用頂くことが可能。…とはいえ、ここではこのプラグインの全体像の説明とかはしない。1点だけ、自分が気に入ったVIF Path情報をPluginの画面で確認できるところについてだけ。なお、用語重なりが混乱の元凶なのだが、このエントリー内で書くvNICは仮想マシンにとってのネットワークアダプタを意味するvNICではなく、UCSにインストールしたOS/Hypervisorにとってのネットワークアダプタを意味する。イメージ的には世間一般には物理NIC。でもUCSではVICによって論理的に構成された仮想NICなのでvNIC。あーめんど。

UCSではVICを搭載する構成が一般的なので、結果的にVIF/論理インターフェイスを使用することが一般的といえる。UCSにインストールしたOSやHypervisorからはVIFと紐付いたvNICはネットワークアダプタそのものとして認識される。つまり、UCS側でVIFを10個構成すれば、OS/Hypervisorからは10個のvNICを搭載したサーバで動作していると認識される。VICを使う場合、VIFのない構成はない。つまり2ポートの口があるVICで2ポートのネットワークアダプタをOS/Hypervisorが認識している場合であっても、1つのポートに1つのVIFが紐付いているデフォルト構成のまま使っている、というだけの話で、つまり実際にはVIFを使っている。

他のNICベンダーのネットワークアダプタでも論理インターフェイスを構成する機能はあったりするが、おそらくここまで一般的に論理インターフェイスを構成して使用する仕組みを活用しているサーバはUCSだけだろう。なぜなら、論理インターフェイスを活用するためにはサーバ側の構成(=VICの構成)だけでは不十分で、上位スイッチ側も含めて構成して初めて活用できるからだ。ラックサーバタイプのUCSは単体でも使用できるが、ブレードサーバタイプのUCSは必ずFabric Interconnect(FI)と呼ばれるUCSの管理機能(=UCS Manager)を加えた特殊なNexusスイッチをあわせて使用する。UCS ManagerはUCS全体を管理する。つまり、UCSのサーバ部分だけではなく、自身が実行されている環境であるFIも管理している。これによって、VICにVIFを構成すると自動的にFI側も構成されているため、UCSの利用者はサーバとネットワークを意識することなく、シンプルにVIFを構成して利用することができる。つまり、VIFはOS/Hypervisorから見た論理ネットワークアダプタ(=vNIC)であるというだけではなく、論理ネットワークケーブルによって上位スイッチの論理ポートに接続されるまでの全体を意味しているということだ。図示するとこんな感じ。

…説明はここまでにして、vCenterのUCS Plug-inでVIF情報を確認できると何が嬉しいの?という話。

まずはVIFによって構成されているvNIC、つまりはOS/Hypervisorから見たNICについてのプラグインの画面。ここでは6ポートのNICがあるという情報になっているが、これらは当然ながら物理NICが6ポートあるのではなく、VICによってvNICが6ポート構成されているということを意味する。この画面でUCS側で管理名として設定しているvNICの名前とMACアドレスの情報を参照できる。

で、以下がVIFのパス情報を表示するプラグインの画面。この2つの画面によって、VIFがどの経路のポートに紐付いているかがわかる。つまり、仮想マシンと仮想スイッチのアップリンクポートの関係性みたいな、VIFにおけるvNICとパス(=ポート)の紐付けを確認できる。

ちなみに、ESXiホストとして認識している[物理アダプタ]は、UCS的には物理アダプタではない(^_^;)。ここでもMACアドレスは表示されているので、ここを識別子としてUCSとしてのVIFのvNICと、ESXiとしてのvmnicの紐付けを確認することができる。

…ということで、この三段論法によって、UCSにおけるネットワークの流れをvSphere Web Client側だけで確認できて便利だね、ということが、言いたかったこと。vCenterのプラグインはさておき、この仕組自体はUCS登場時からのお家芸

UCSという製品の特徴はUCS Managerによる統合管理だ!というのはもちろんなのだけれども、それを支えるハードウェア的な仕組みとしてVICがある。このソフトウェアとハードウェアの組合せで実現している仕組みだからこそ、他社の追随を未だに許さない、UCSならではのネットワークの管理性、構成の自由度などを実現しているのだろう。

ちなみに脱線というかオマケだけど、UCSのブレードサーバでVIC 1240を搭載している場合、VICのメザニンカード自体の帯域は全体として40Gbある(内部的には各IOMに対して20GbでPort Channel接続している)。なので、UCSのブレードモデルにESXiをインストールして物理アダプタの項目を見ると、以下のように速度として 20000 Mb / 20Gb と表示される。面白いね。