書評:『ジェネラル・ルージュの凱旋』海堂尊/宝島社

冬休み読書シリーズ(^_^;)。

ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋

文庫版が年明け1/8に刊行されるようだが、文庫版でも上下巻で各500円 計1000円するのであれば、まぁ冬休みに読めるという価値を加えればハード本で1600円出してもいいかな、ということで。

  • 第一部 潜行
    • 序章 海の底
    • 1章 オレンジ・スクランブル
    • 2章 血まみれ将軍(ジェネラル・ルージュ)
    • 3章 コミットメントの空隙
    • 4章 オレンジの不良債権
    • 5章 ハヤブサと眠り猫
    • 6章 ピンストライプの経済封鎖
    • 7章 多重陰謀
    • 8章 ホンキートンク・ガール
    • 9章 新人の陥穽(ルーキー・ピットウォール)
    • 10章 沈黙の少女
    • 11章 ドクター・ヘリ
  • 第二部 戴冠
    • 12章 赤煉瓦の泥沼
    • 13章 田口講師の災難
    • 14章 フジワラ・ナース・ネット
    • 15章 エシックス・エントリー
    • 16章 旧友(オールド・フレンド)
    • 17章 ジェネラル・ルージュの伝説
    • 18章 泥沼エシックス
    • 19章 天窓の歌姫
    • 20章 火喰い鳥の告知(ノーティス)
    • 21章 泥沼の中のジェネラル
    • 22章 司法と倫理
    • 23章 医師法二十一条の影
    • 24章 ハヤブサ美和
    • 25章 リスクマネジメント委員会
    • 26章 エシックスの終焉
    • 27章 ジェネラルの退場
    • 28章 カタストロフ
    • 29章 口頭試問
    • 終章 岬

作者、本物だ。白旗。ほんとに医師との兼業作家なのかとも思ってしまうが、逆に言えば医師だからこそ描くことができる作品と言える。
作品として圧倒的に楽しめるエンターテイメントに仕上げられているが、作者の訴えるテーマは相変わらず明確だ。
たしかに考えてみると、消防・救急と警察が公的機関でありながら緊急医療が公的機関ではないことは不思議ではある。たとえば警備員は警察があって成り立つ「商売」だ。医療も公機関としての「緊急医療」があってもいいのではないかと思った。
これ以上書くと作品の主軸に触れてしまいそうなので、このへんで。
文庫本化されれば通勤本としては最適なので、年明けの通勤本にぜひ。
それにしても、著者のストックはどれだけあるのだろう。それともストックなどされていないのだろうか。いずれにしろ、映画も面白いが小説としてこれだけ医療現場を映像的に描いている作品を矢継ぎ早に繰りだしてくる著者の作品には今後も注目し続けていこう。