VMware vCenter Server Heartbeat

VMworld Europe開催中なので情報の洪水でちょっと溺れ気味だが、現実的に期待したいのがvCenter Server Heartbeat。どの程度使い勝手のいいツールなのか、どの程度使い物になるのか、そしてどの程度の費用がかかるのか注目している。それなりに機能が充実していてかつ追加コストがあまりかからない程度の提供価格に抑えてくれれば、多くのユーザが使用することを選択するはずだ。

Optimize availability and resiliency for VMware vCenter Server in any situation. VMware vCenter Server Heartbeat delivers the maximum uptime for your virtual datacenter infrastructure, ensuring consistent operation, even when VMware vCenter Server is threatened by unplanned or planned downtime.

http://www.vmware.com/products/vcenter-server-heartbeat/#
単純にサーバ統合インフラの管理ツールとして使うのであれば、そこまでvCenterの可用性に拘る必要性はないのだが、次第にvCenterが正常動作していることに依存した様々な機能が追加されるようになっている現在、vCenterの可用性・耐障害性は重要なポイントになりつつある。たとえばVMware Viewを用いた仮想デスクトップ環境などはvCenterが正常動作していないと機能しない部分がかなりある。SRMやLabManなどの追加アドオン機能はいずれもvCenterの拡張機能として提供されている。

vCenter Server Heartbeatの利用により、vCenter Serverが単一障害点となることを防げる。「一般のクラスタリングソフトで可用性を高めることも考えられるが、HeartbeatはLAN環境だけでなくWAN環境でも切り替え可能なことがメリットである」(ヴイエムウェアの名倉丈雄 テクニカル アライアンス マネージャ)。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090225/325497/#
これまでもvCenterはMSCSによるクラスタ化には対応していたが、Windows Server Enterprise Editionや共有ストレージのコストを考えるとコストパフォーマンスのよいものではなかった。vCenter Server Heartbeatがどの程度の機能をどの程度の価格で提供することになるのか、ぜひVMwareにはパートナーが納得できる価格をつけて貰いたいと思う。

VMware vCenter Server Heartbeat」はサーバの構成とデータをパッシブ スタンバイサーバに複製することで、vCenter Serverを幅広いダウンタイム リスクから保護する製品だ。「VMware vCenter Server Heartbeat」は、vCenter Serverの接続性と、ライセンス サーバやUpdate Managerなどのコンポーネントを監視し、vCenter Server全体をパッシブサーバ上で再起動できる。これにより、計画外または計画的なダウンタイムの危機に直面しても、一貫した動作が確保できるという。また、オペレーターの人的ミス、OSやハードウェアの障害、あるいは外部の要因からも保護可能となる。
vCenter Server、データベース、およびすべてのサービスコンポーネントを常時監視および認識するほか、LANを通して別の社内のサーバまたはWANを通してリモート データ センタにvCenter Serverの複製およびフェイルオーバーが可能。そのほか、仮想インフラストラクチャ全体に与えるパフォーマンス上の影響の最小限化、ハードウェアに依存しない複製とフェイルオーバーに対応する。
VMware vCenter Server Heartbeat」は同社パートナである英Neverfail社からライセンス供与され、3月より国内パートナより提供開始となる。

http://www.rbbtoday.com/news/20090226/58133.html#
Active/Standby型ということでvCenterのライセンス等のカウントについても納得できる対応をしてもらいたい。VMware自身が開発したツールではないが、VMwareがライセンスすることを決めたのだからそれなりの完成度ではあるはずだ。

特長はLAN環境だけでなく、WAN環境でも利用できる点。LAN環境ではクラスタリングで、WAN環境ではデータレプリケーションなどで保護できる」と、紹介する。

http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/topic/2009/02/26/15007.html#
仮想化はDRの概念も変えつつある。コストを抑えつつもいかに「実用的な」DRサイトを構築するか。SRMもさらに機能を充実させてほしいところではあるが、合わせてvCenter Heartbeatによるデータレプリケーションも必要な要素になるのではないかと思う。