Red Hatの仮想化戦略

XenからKVMへと比重を移しつつあるように思われるRed Hatだが、RHEL5ではまだ仮想化戦略の中心はXenにあるようだ。

米レッドハットは2月23日、仮想化ソリューション群提供の一環として「Red Hat Enterprise Virtualizationポートフォリオ」を発表した。同ポートフォリオには4つの製品が含まれる。

http://www.atmarkit.co.jp/news/200902/24/redhat.html
RedhatのVirtualizationポートフォリオの4製品は以下の通り。

他のLinuxディストリビューションが軒並みXenをベースとした仮想化ツールを用いている中で、Red HatKVMの開発元Qumranetを買収、徐々にではあるがKVMに比重を移している。RHELがベースにあるのは当然だろうが、RHEVMの2製品がどの程度の完成度のツールとして提供されることになるのかは興味深い。オープンソースはどうしても最先端技術を追いかけ続けていて、使えるけれどもかなりのスキルが要求されたり、個々の機能は優れていても統合性に欠けていたりなど、管理面においていま一歩であり続けてきた。RHELが提供する仮想化機能を横断的かつ統合的に管理できるツールとして提供されれば、けっこう受け入れられるのではないかと思う。そしてHypervisor。XenKVMもHypervisorではあるが、KVMをベースにより仮想化に特化させるオープンソースプロジェクトoVirtを取り込んだものだが、Red Hatが独自性を打ち出す上でも、oVirtは重要な位置付けになりそうだ。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090224/325268/?ST=system
http://www.redhat.com/about/news/prarchive/2009/agenda.html
続いてMicrosoftとの仮想化製品における相互運用性サポートに関して。

Microsoftは仮想化プラットフォーム「Windows Server Hyper-V」および「Hyper-V Server」上で、「Red Hat Enterprise LinuxRHEL)」サーバの動作検証を行う。Red Hatでは、RHELの仮想化環境でWindows ServerをゲストOSとする場合の動作検証を行う。動作検証の対象は現行製品だけでなく、将来のバージョンも含まれるという。両社による検証作業の完了後、両社の顧客はこうしたクラスプラットフォームの仮想化環境構築において、両社から「協調的な技術サポート」を受けることができるようになる。

http://www.computerworld.jp/topics/vt/136270.html
MicrosoftHyper-Vということになるだろうが、Red HatXen? KVM? XenHyper-Vは仕組みがかなり似通っているので相互にゲストOS用のドライバを提供することなどができそうだが、KVMはどうなんだろう。
Red HatLinuxディストリビューションとして最も成功した企業といえるが、逆に市場においてデファクトスタンダードとなったようなソフトウエアを持っているわけでもない。Microsoftと協調しつつもLinuxディストリビューターとしての立場を貫き、VMwareデファクトスタンダードとなっている仮想化市場に切り込んでいく。Red Hatもなかなか大変だ。