来年はVDI元年に…なるのかなぁ

CitrixがXenDesktop4を発表、対抗するようにVMwareVMware View4を発表、MicrosoftWindows Server 2008 R2に含まれるVDI機能と相まって各社の製品が一通り出そろいました。VDIは企業ユーザにおけるデスクトップソリューションとして、一定の割合で選択肢となり得るのか、来年の動向である程度見通しは立ちそうです。各仮想化ソフトウェアベンダーともに、サーバ仮想化とは比較にならないほど広い市場を持つクライアント仮想化に打って出ることになるわけですが、期待するほど受け入れられるのか、デスクトップソリューションはサーバよりも直接的にユーザエクスペリエンスに影響があるため、企業のIT管理者側もその導入には慎重になるでしょうが、サーバの仮想化に効果を感じた管理者は少なくとも検討の土俵にはあげるでしょう。
豊富な実績を持つICAに対して、VMware View4から登場した新しいプロトコルPCoIPはまだまだ新参者であり「どれだけ対抗できるものか」はまだこれからの評価となりますが、共同開発パートナーであるTeradiciのハードウェアチップによるPCoIPはある程度の実績を持っていますので、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせがClient/Serverの相互で互換性を追求できれば面白い戦いになりそうです。RDPも7.0となりWANなどの低帯域におけるレスポンス性能も上がっていますので、それぞれの製品の特徴がより明確になることにより、ユーザも検討しやすくなるかもしれません。

クライアントPCを用いたデスクトップ環境はまだまだ主流であり続けることはほぼ間違いないと思いますが、VDIが単なる仮想化ソリューションとしてではなく、シンクライアントなどと組み合わせたデスクトップソリューションとして受け入れられるには大企業だけでなく中小規模の企業にまでその導入が広がる必要があるでしょう。結局Windowsデスクトップ環境を使うソリューションなのでライセンス規約を決めるMicrosoft次第といった面もありますが、シンクライアント端末や近い将来発表されることになるであろうクライアントHypervisorなど、ハードウェアベンダーもそれなりに力を入れて拡販するでしょうし土俵は整ったといえる来年はVDIにとっての試金石となる年かもしれませんね。