書評:『4Gbpsを超えるWebサービス構築術』株式会社ライブドア 伊勢幸一・池邉智洋・栗原由樹・山下拓也・井原郁央・谷口公一

おっと、こんな本が発売されていたとは。週末の間にざっと通読。細かい実装例の部分とかは眺めた程度ですが…。

4Gbpsを超えるWebサービス構築術

4Gbpsを超えるWebサービス構築術

この類の書籍としては、2008/8/25に書評をUpした『24時間/365日サーバ/インフラを支える技術〜スケーラビリティ、ハイパフォーマンス、省力運用』以来かな。本書はライブドアの技術を支える面々による著作なので、Webサービス向けのサービスを支える技術やテクニックについて、そのエッセンスを解説したものとなっています。個々の技術について、深く掘り下げるほどのページ数は割かれていないので、あくまでもさわりの部分と要点やちょっとしたノウハウだけがまとめられているのですが、Webサービスを支える技術としてはどのような技術が用いられて、どのような考え方で構築されているのかが伝わってくるというだけでも、本書には価値があるのではないでしょうか。
2006年にこんなエントリーを書いていましたが、なるほど、今でもライブドアという会社が存在し、必要とされている理由がわかる気がします。Webサービスを構築するために必要とされる技術は幅広く、オープンソースを駆使する部分から製品としてのハードウェアやソフトウェアを上手く使う部分まで、様々な要素から成り立っています。そして必要とあらば自らが必要とするものを作り出してしまうということ。技術を仕事にする人間にとって、そうした文化や風土はとても魅力的です。
Webサービスはもっぱらユーザで、サーバ基盤屋さんとして関わる程度なのでキューイングやキャッシング、検索技術、携帯対応などに対する理解度は素人レベルではあるのですが、それでも本書は「どういうことが課題で、それに対してどう取り組んでいるのか」ということが書かれているので斜め読みする程度の読み方でも充分に楽しむことができます。
本書は技術書ではありますが、大規模なWebサービスを支える技術に取り組む人たちについて書かれた読み物としてもなかなか読み応えがある内容でした