SSD on Enterprise ?

http://d.hatena.ne.jp/takaochan/20080115/1200368877
の続き?すでに1年近くたっているので、まぁアップデートみたいな感じか。
こんな記事があった。
ストレージアレイメーカーがEMCのSSDに追随しない理由
SSDはまだまだ高価だが、NetBookを中心としてクライアントユースには次第に受け入れられ始めている。I/O速度もさることながら、省電力性能や発熱量のなさ、ノートPCなどのポータブルユースにおいて重要な対衝撃性能の良さなど様々なメリットが得られるからだ。
しかしエンタープライズストレージ向けでは思ったほど普及のスピードは速くない。

アレイのインタフェースとコントローラーはHDDのI/O率とアクセスパターンに合わせてあるため、ストレージアレイにSSDを追加するのは難しいことも分かってきた。

なるほど。確かに1個だけSSDを使用する場合と異なり、複数のHDDをRAID管理するエンタープライズ製品の場合、極端にI/O性能に差があるものを管理することは意外と難しいのかもしれない。
しかも、元々エンタープライズストレージの場合はコントローラ部分にかなり大容量のキャッシュを搭載している製品がほとんどなので、SSDのメリットがどれだけ発揮されるかはストレージ製品によって大きく異なることになるだろう。

3PARのデビッド・スコットCEOは、同社の製品「Inserv」アレイは、データが全ドライブにわたってストライプされているため、ストライプの範囲が狭い大手ストレージベンダー(つまりEMCなど)のようにIOPSを増やす必要がないとしている。SSDを使う機が熟したら、3PARはこの技術を採用するという。

…と3PARが言っているように、RAIDが作りだす論理ボリュームをそのまま使うのではなく、そこにさらにもう1階層ブロックデータの単位(ベンダーによってページといったりチャンクレットといったり色々なのでややこしい)を挟み込むことによって複数のRAID論理ボリュームをまたいだ仮想領域をサーバに見せるようなタイプのストレージも次第に増えてきており、単純にディスク性能がそのままサーバからのストレージI/Oパフォーマンスにダイレクトに性能の変化をもたらさないタイプのエンタープライズ製品も出てきているので話は単純ではない。
3PARの意見に対してEMC側も、

EMCのチャック・ホリス副社長はブログで、利用可能な全スピンドルにデータをストライプしているストレージアレイ(つまり3PARのこと)には、フラッシュに関して特有の問題があると述べている。アレイソフトウェアでデータの処理方法を変更し、入ってくるデータがSSDストレージ用なのかHDDストレージ用なのかを判断して、それぞれ違ったやり方で処理しなければならない。結果的にアレイは、論理上別々の2つのサブアレイになる。これを実現するためのアレイソフトウェア修正には、時間がかかるという。

…と、反論しているところが面白いのだが(^_^;)。
# そんなこと言っていた人が次の日には転職してまったく別の発言をしていたりするのがすごい。とはいえ、こうして企業の意向をトップが語るメッセージとして表に出てくるところはいいことだと思うのだけれども。
いずれにしろ、SSDという選択肢が各ベンダーから近いうちに出てくることは間違いないだろう。
SSDの性能を引き出すことについてのみならず、様々な先進機能の搭載など、次第にストレージも制御ファームウェア・ソフトウェア・管理ツールなどの出来次第になっていきそうだ。あとはアプリケーション/サーバ連携とかもあるけど。