Blade? Tower?

HPがまた面白いおもちゃ製品を出してきました。HP BladeSystem c3000 タワーエンクロージャ。タワー型サーバのような筐体にBladeサーバを搭載できるSMB市場向け製品だそうです。100Vにも対応し、これまでラック型サーバを使ってこなかったような中小企業ユーザにまでBladeを拡販しようという、まぁたしかにBladeをより拡販することを目指すのであれば順当な製品ではあります。

日本ヒューレット・パッカード(HP)は1月28日、SMB(小・中規模企業)向けにブレード・サーバ用タワー型エンクロージャ「HP BladeSystem c3000 タワーエンクロージャ」を発表した。同社によれば、タワー型のブレード・エンクロージャは業界初という。
同製品は、昨年9月に発表したラックマウント型ブレード・エンクロージャ「HP BladeSystem c3000」をタワー型に改良したものだ。機能的にはc3000と同等で、ハーフ・ハイトのブレード・サーバを最大8台搭載できる。

こういう製品を作り出してくるところにHPらしさを感じます。IBMアーキテクチャをガッチリ固めるのは得意ですが、その後のバリエーション展開はあまり上手くない気がします。対して、HPはアーキテクチャを固めるまでの試行錯誤が長く、時にはバッサリと互換性を切り捨てるなどユーザを振り回す部分がありますが、方向が定まってからの徹底具合は見習うべきところがあります。今回のBladeタワーエンクロージャがどれだけユーザに受け入れられるのかは未知数ですが、斬新さという意味のアピール戦略としてはいいところを突いてきたといえるでしょう。
後発でありながらも、2CPU/4CPU型Bladeという先見性を発揮し、Blade市場の方向性を創ったIBM、しばらくIBMの後塵を拝しながらも、隙を突いてアピール力のある製品を打ち出すことによって一気にシェアを巻き返したHP。Blade市場に追いてはこの2社がリードしており、DellやSun、Fujitsuなどは数%しかシェアを持っていない状況です。これから2,3年、Blade市場はまだ面白い動きがありそうです。ラック型やタワー型のサーバが使われなくなることはないでしょうが、ブレード型サーバがどれだけ使われるようになるのか、数年も経てばおおよそ見えてくるでしょう。
http://www.computerworld.jp/news/hw/96569.html
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/01/28/013/index.html