Blade Networks Technologiesは今後も受け入れられるのか?

BNTは、ブレードサーバー向けのネットワーク製品(スイッチブレード)を手がける企業。元は米Nortelのブレード・サーバ・スイッチ・ビジネス・ユニットが前身で、2006年にスピンオフして設立。以来、ブレードサーバーベンダへのOEM提供を事業の柱としてきた。主にIBM、HP、NECブレードサーバーで同社製品が活用されており、ワールドワイドにおけるブレードネットワーク分野で45%のシェアを獲得。国内に限ってもNEC製「SIGMABLADE」の約50%で、同社の技術が採用されているという。

http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/network/2008/06/30/13292.html
これまで各ハードウェアベンダーのブレードサーバ用のスイッチモジュールをOEM提供してきた同社が初めてモジュール型スイッチをリリースしてきた。これまで、同社は基本機能を満たしたスイッチモジュールを安価に提供することによって、IBM, HP, NECなどにもラインナップを増やすという価値を提供してきたが、果たして単体のモジュールスイッチでも市場に受け入れられるのか、大きな試金石となる製品といえるだろう。
ブレードサーバ用のスイッチモジュールは当然、Cisco製などもラインナップとして取りそろえられているが、価格を抑えたい場合はそうしたスイッチを選択することは難しかった。ゆえに、同社のようなベンダーが提供するスイッチには提供する側のベンダーにとってもユーザにとっても価値があったわけだが、単体スイッチとなると話は変わってくる。
IBMはネットワーク機器の製造をやめてCiscoに切り替えたが、今でもHPやDELLはモジュールスイッチをラインナップとして取りそろえている。これら各社はサーバやストレージなどのシステムとまとめてシステムとしてスイッチも提供するということに価値を置いている。コアスイッチはともかく、末端までをCisco製品で構成するとそれなりに費用もかかる。そういうニーズに対して、一定の品質と一定のブランドを持ったスイッチもラインナップとして取りそろえることはサーバベンダーにとって価値があるということだ。
しかし、同社はスイッチベンダーであり、サーバ製品を提供していない。VMReadyや排気・吸気の切り替え機構など、なかなか面白い機能は持っているが、はたして、それであっても同社の製品を選択するだけのユーザへの訴求力を持った製品なのか、というと、なかなか厳しい気がするというのが私の感想だ。