スイッチは新しい一歩を踏み出すのか - FCoE

CiscoとBrocadeがそれぞれ、新スイッチを発表しています。

米国Cisco Systemsは1月28日、データセンター向けの新しいネットワーキング・スイッチ「Nexus」シリーズを発表した。サーバとストレージが統合された仮想化システムが広がりを見せる中、Ciscoはネットワークでも同様のことを目指すとしている。

http://www.computerworld.jp/topics/power/96769.html

ブロケードコミュニケーションズシステムズは1月28日、米ブロケードが1月22日に発表した新製品「Brocade DCXバックボーン」について説明した。
DCXバックボーンは同社が「データセンター・バックボーンスイッチ」と呼ぶ新たなジャンルの製品。「ダイレクタでなくバックボーンスイッチと呼ぶ理由は、ファイバチャネルだけでなく多くのプロトコルに対応し、帯域幅はどの製品よりも大きいからだ」と米ブロケード データセンタ・インフラストラクチャ部門担当 シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャのジョン・オーラム(John Oram)氏は話す。

http://www.atmarkit.co.jp/news/200801/28/brocade.html

Ciscoは、Ethernetスイッチ「Catalyst」シリーズや、ストレージ・ネットワーク・プラットフォーム「MDS」など、データセンターで主要な役割を担うネットワーク製品を数多く投入している。こうした製品群の融合を目指したNexusでは、スイッチングを統合するアーキテクチャや新しいネットワーク・プロトコル規格FCoE(Fibre Channel over Ethernet)などが用いられる。

  • Brocade

ファイバチャネル接続ブレードのほか、「iSCSIブレード」(サーバをiSCSIでファイバチャネルSANにつなぎ込むためのモジュール)、「SANエクステンションブレード」(Fibre Channel over IPによる遠隔拠点間接続)、「アプリケーションブレード」(ストレージ仮想化などのアプリケーションを稼働)を用意している。2008年中にはイーサネット上で確実性の高い転送を実現するデータセンター・イーサネット用の接続モジュールも提供し、サーバ間接続にも使えるようにする。

どちらもFCoEに対応する製品となりそうです。記事からだけではBrocadeの方は明確ではありませんが、「イーサネット上で確実性の高い転送を実現するデータセンター・イーサネット用の接続モジュール」がそうではないかと。
FCoEは、TCP/IPパケットにFC/SCSIフレームを包みこむiSCSIや、IPプロトコル上にFC/SCSIフレームを乗せるFCIPとは異なり、あくまでもEthernetというL2レベルにおいて互換性を持つのみの仕様です。TCPはもちろん、IPプロトコルすら使用しないため、TCP/IP通信が仕様上どうしても発生させざるを得ないオーバーヘッドを回避することがウリ。iSCSIによってデータネットワークとストレージネットワークはその境界をあいまいなものとしましたが、FCoEによってその流れはさらに推し進められ、両者はさらに統合度を高めていくのではないかと思われます。
ストレージ、サーバ、ネットワークが混然となり進化を続けています。エンタープライズ分野では今後、思いもよらないような動きがでてくるかもしれません。