仮想化はサーバとネットワークの垣根をなくした?

DellがJuniper製品のOEMを決めたというニュースを読んで。

Dellは同社のPowerConnectブランドでJuniperのルータ製品「MXシリーズ」、イーサネットスイッチ「EXシリーズ」、サービスゲートウェイSRXシリーズ」を販売する。

http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20402685,00.htm
数年前までは、企業向けのエンタープライズ製品といえばCiscoで、その他製品はCiscoがコスト的に厳しい場合などの妥協製品、みたいな感覚が大企業中心にあったが、もはやこうした感覚も過去のものとなりつつあるのかもしれない。
…が、最も大きな変化はユーザ側の変化よりもCiscoを担いでいたパートナーの思惑の変化の方だろう。CiscoがUCSでサーバ市場に進出し、Nexusでデータネットワークの統合を推し進めようとした(している)結果として、これまで存在していた「棲み分けの境界」を浸食されることを危惧した各社は続々とBrocadeやNortel、Juniperなどとの連携を強化、これまでとは違ってそれなりに本腰を入れたパートナーシップを築こうとしている*1Foundryを買収したBrocadeなどはなかなか先見の明があったかもしれない。そもそもSANにおけるマーケットリーダーであったBrocadeにとってはサーバベンダーよりも早く「棲み分けの境界」をCiscoに浸食された立場なわけで、もはやサーバベンダーとネットワークベンダーは相互に市場を浸食し、競合と連携が複雑に絡み合う状況だ。
サーバベンダーでもあるHPのProCurveを除いて、Ciscoとの差別化だけを意識してきたネットワークベンダーは今後どう市場でのポジショニングを確立していくかがますます難しくなっている。特にスイッチ製品はCiscoのようないわばデファクトスタンダード的な製品と、サーバベンダー自身が提供する製品の狭間に埋没してしまいかねないわけで、舵取りはなかなか難しいだろう。

また、ジュニパーは同社初となるライセンシングパートナーとして米Blade Network Technologiesと提携。Blade Network Technologiesは、Junos OSをベースにブレード型スイッチの開発を行うとした。

http://www.atmarkit.co.jp/news/200910/30/juniper3.html
サーバベンダーもネットワークベンダーも、合掌連合や正面衝突など、ますます勢力図の変化は先が見えなくなってきている。

*1:そもそもCiscoの側からすればサーバベンダー側はネットワーク機器も販売しているわけで、浸食しているのはどっちだという話ではあるけれど