無印良品の家『朝の家』

無印良品が新タイプの「無印良品の家」として『朝の家』を発表しました。「木の家」のベースを設計した難波和彦氏、「窓の家」のベースを設計した隈研吾氏、そして「朝の家」は?誰かなぁ…。無印良品の家は積極的には建築家を表に出さない方針をとっているのでまだわかりませんが、そのうちわかるでしょう。
SE構法に基づくスケルトン+インフィルに基づく仕様は共通していますが、外見は一言でいってしまえば「すごいシンプルな普通の家」。無印良品の家は「木の家」→「窓の家」→「朝の家」とバリエーションがつくられるごとに次第に「家の中に部屋がある」普通の家になりつつあるような気がしていて、朝の家は外見だけでなく中身もまた「普通」。でも普通だからこそより大多数の人が受け入れられる家になるのかもしれません。
予定されている朝の家のモデルプランは他のシリーズと同様に2000万円前後。標準仕様としてSE構法や外断熱などを採用しつつも、ある程度の標準化を図ることによってコストを抑えた家を造る。建築家とも工務店とも、ハウスメーカーとも異なる形態での家づくり。
無印良品の家に限らず、プロデュース会社やサポート会社、コンペ会社などによる家づくり、という形態は次第によくあるパターンの普通の家づくり方法になるんじゃないかと思います。

(2/14追記)
日本経済新聞によると…

雑貨専門店の良品計画は分譲住宅事業に参入する。提携先の工務店に土地の手当てや住宅の建築・販売を委託し、同社は商品企画などを担当する。従来は注文住宅のみを手掛けていた。2008年の販売は約100棟だったが、分譲事業への参入で11年には販売を 500棟に引き上げる。
分譲住宅事業は住宅販売子会社のムジ・ネット(東京・豊島)を通じて手掛ける。吹き抜けをなくすなど従来の注文住宅のデザインを簡素化した新商品「無印良品 朝の家」を売り出す。価格は3.3平方メートル当たりで53万円と注文住宅の平均価格より5%低く設定。90平方メートル前後を中心に60種類の間取りをそろえる。第1弾として14日に千葉県内で2棟を発売する予定だ。

http://sumai.nikkei.co.jp/news/latestnews/index.cfm?i=2009020611598p2
…だそうで。まぁ年間500棟売ろうとなんだろうといいんですけど、これが住空間事業の迷走に繋がらなければよいのですが。
「吹き抜けをなくすなど従来の注文住宅のデザインを簡素化」ってことは、ベースを設計した建築家などはいないタイプの家なのかな?

(2/20追記)
色々な記事や情報を見る限りは、やはり「朝の家」はデザイナーとして著名な建築家は関わっていないプランの模様ですね。ま、次回の打ち合わせの時にムジネットの担当者に聞いてみよう。

(3/24追記)
某スジから仕入れた情報によると(^_^;)、朝の家のデザイナーはミサワホームで「蔵の家」を設計した川元邦親氏であるとのこと。なるほど、そうきましたか。各プランのコンセプトに関わる建築家も次第に大衆向け設計になりつつありますね。