金利の話。

世界各国の中央銀行政策金利の引き下げをしているので、今日は金利の話をば。
中学生の時、社会の授業で金利の勉強をした日があった。
世の中が不景気になった時、銀行は景気を良くするために金利をどうするべきか、というのがテーマ。
『「金利を上げるべきだ」と思う人』という先生の言葉に手を挙げたのは私だけだった。お金が世の中に廻らないから不景気になったのであれば、金利を上げてより人々にお金を供給すればいいのではないか、と考えたからだ。だって金利を下げたらお金は増えないじゃないか、という発想。
対して、クラスの残りの人たちは『「金利を下げるべきだ」と思う人』の方に手を挙げたが、では「なぜ」金利を下げるべきなのか、という先生の問いに答える人はいなかった。なんであのとき、みんなは金利を下げるべきだと思ったのだろう?教科書の次のページでも見たのか、それとも塾とかで習った?今でもそれは謎。
その後、先生は金利を下げる理由を解説した。「金利を下げればより多くの人がお金を借りるようになり、結果としてより多くのお金が市場に流れる」から金利を下げる。大人になった今ではもはや当たり前の話に思えてしまうのだが、中学生だった私にとって、「お金を借りる」という発想がなかったのでこの件はかなりインパクトのある発想の転換点だった。なるほど、借金することでお金が廻るようになるのか、と。そして、この出来事はけっこう強烈な記憶として私の頭に残り、そして(この件だけではないけれども)経済に興味を持つ重要なきっかけの1つになった。
その後、私は結局は大学で経済学部を選択するところまでいってしまうわけで、意外とこんな些細な出来事が、人の人生を大きく変化させているといえるのかもしれない。