今だからこそ、この2冊は連続して読むべし。
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 70回
- この商品を含むブログ (148件) を見る
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/03
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 59回
- この商品を含むブログ (80件) を見る
深刻な医療問題を扱っていながら、ここまで惹き付けられる著者の作品の魅力は何なのだろう。緻密に計算されたストーリー展開、魅力的で個性的な登場人物たち。医療現場が抱える、医学的な学問としての側面と、人間の尊厳やプライバシーなどの哲学的な側面、そして複雑に絡みつく政治的な側面、それらが絶妙にストーリー展開の中に組み込まれていることがリアルな現実とフィクションとしての小説の境界を意識させてくれることも重要なキーといえるかもしれない。
この2冊は出産をテーマにしている。フィクションでありながらも、現実の産科医療の現場が抱える問題をリアルに描いているともいえる。理性と本能の境目にある妊娠・出産というプロセスに関わるからこそ、見えてくるものがあるのかもしれない。