クラウドは仮想化じゃない、柔軟な管理と「考え方」だ

最近はやたらクラウドという言葉が溢れかえっている気がしますが、実際にはただの仮想インフラの提供であったりアウトソーシングであったりします。逆にオンラインアプリケーション的なサービスをクラウドといっている場合もありますが、何をもってクラウドといっているのか、よくわからないものも沢山あります。
リソースをアウトソーシングすればクラウドなのか?という気もしますが、結局のところ、どんなかたちであっても柔軟な管理が可能であればクラウドといってもよい様な気もします。その裏側では人海戦術だったりするとしても、利用者にとって柔軟性が得られるのであれば、それも利用者にとってはクラウドサービス…なのかもしれません。
「インフラレイヤーに柔軟性をもたらす仕組み」という意味で、仮想化はクラウドの重要な1要素ではあるとおもいますが、クラウドは仮想化の発展形ではないはずです。クラウドはユーザにITサービスを提供するために必要なリソース全体に柔軟性をもたらす「近未来におけるIT全体の発展形」の総称のようなものだと思いますので、それに向けて色々なレイヤーで色々な動きが起こり、その中から大きな流れが出てきて実際に技術として落とし込まれた形としての実装が次第に見えてくることになるでしょう。
VMwareは仮想化製品ベンダーに留まるつもりはないようで、次第に管理ツールに注力する比重を移しつつあります。Microsoftは仮想化製品ではVMwareにリードを許してしまいましたが、得意の管理ツール群"System Center"の布陣は強力です。OSレイヤーからミドルウェア、さらにコラボレーションツールまでの市場では圧倒的な力を未だ持っていますので、総合力が求められるクラウド?においてはやはりキープレイヤーとなってくるでしょう。さらにはOracleやらIBMやら…。もはやどことどこが競合していて協力関係なのか複雑極まりありませんが、クラウドとはそういうものでしょうし、そのなかからどのようなかたちでクラウドが技術に落とし込まれていき、爆発的な市場拡大につながるきっかけがいつ訪れるのか。
当面は「不十分なクラウドサービス」が乱立し続ける状態が続くと思いますが、それであってもそうした積み重ねと試行錯誤が大切でしょう。はたして、キャズムの壁はどのようなかたちで乗り越えられることになるのでしょうか。そしてそれは、いつ訪れるでしょうか。