クライアント仮想化は難しい

VMwareとCitrixがそれぞれ新しいクライアント仮想化製品を発表し、2010年をクライアント仮想化ソリューション市場における本格的な普及の糸口を掴もうとしています。果たしてクライアント仮想化はソリューションの普及におけるキャズムを乗り越えることができるのでしょうか。
個人的には、クライアント端末におけるDesktop Hypervisorが普及し始めないと本格的なクライアント仮想化の幕開けはないのではないかと思っていますが、まずは仮想デスクトップソリューションがどれだけユーザに受け入れられることになるのか、注目したいと思います。

IDC Japanは11月25日、2009年上半期(1月〜6月)の実績調査に基づくクライアント仮想化ソリューションの市場規模予測を発表した。同発表によると、同市場規模は2009年は1,265億円、2013年には3,770億円に達するという。

http://journal.mycom.co.jp/news/2009/11/25/041/?rt=na
サーバ仮想化ソリューションではVMwareが市場をリードし、最初にキャズムを乗り越えた製品として現時点においても多くのユーザに導入されていっていますが、だからといってクライアント仮想化ソリューションでもVMwareが優位なのかと言えばそう単純でもない模様。もともとクライアントサイドの一種の仮想化ともいえるMetaFrame/Presentation Server/XenAppで鍛えられてきたCitrixは優れたユーザエクスペリエンスを武器にかなりクライアント仮想化ソリューションに注力してきています。これまでCitrixを支えてきた代名詞とも言えるXenAppから今後次第にその軸足をXenDesktop中心に移していこうとしており、状況次第ではCitrixに第2の勃興期をもたらすことになるかもしれません。

バックエンドソリューションとしてユーザにとってはレスポンスや安定性といった間接的な影響に留まっていたサーバ仮想化に対して、クライアント仮想化は直接的なユーザ体験に大きなインパクトがあります。その分、クライアント仮想化は非常に難しいソリューションになるわけですが、そこに期待される市場規模はかなり魅力的です。
どこが、どのようなかたちでキャズムを乗り越えるのか、2010年ははたしてどんな展開が待っているのでしょうか。