書評：『減らす技術 THE POWER OF LESS』レオ・バボータ／ディスカヴァー21 (1)

このブログのタイトルを"Simple is Beautiful"と変更したことに対しても大きく影響を与えた一冊。ゆえに、ちょっとじっくりと、数回に渡って書評を掲載してみようと思う。
本書に書かれた内容はとても簡単なもので、さらっと読むなら1日でも読めてしまう本なのだけれども、本書を通じて著者が伝える内容はなかなか根本的なもののような気がするからだ。

減らす技術 The Power of LESS

• 人生をシンプルにする2つのステップ
  1. 大切なことを見極める
  2. それ以外のものを取りのぞく

いかに生産性を上げるか、いかにマルチタスク化するかという課題に日々挑戦させられているような現代において、この取り組みはなかなか挑戦的だ。けれども、シンプルな人生こそ豊かだとする著者の考えには強く同意することもまた確かだ。

「大切なこと」だけに集中して、それ以外は取り除いてシンプルにする−。これだけであなたの毎日は楽しくなる。ストレスだって減る。それに意外だと思うかもしれないが、今までよりもずっと生産的になれる。

大切なことに集中して取り組めること。その結果として、より生産的になれるということ。皮肉だけれども、これは事実だ。ただでさえ毎日に追われるのだから、せめて意識して「大切なこと」に取り組むべきだ。大切なこと以外を取り除いてしまうことはとても怖いし、とても勇気のいることだと思うし、結果的にそれでも取り除けないものは沢山あるだろうけれども、だからこそ、意識して自分の人生を「大切なもの」に振り向けようとすることは必要なことだといえる。

• 人生をシンプルで生産的にする「6つの原則」
  1. 制限する
  2. 本質に迫ることだけを選ぶ
  3. シンプルにする
  4. 集中する
  5. 習慣化する
  6. 小さくはじめる

本書では著者自身の体験をベースとして、実践的なテクニックが紹介される。テクニック、というと小手先的な対応と思えてしまうかもしれないが、人生は1つ1つの選択の積み重ねだと思えば、テクニックは人生の方向性を少しずつ変えていく、唯一の武器となるはずだ。
今回紹介した範囲は、まだ本書の「はじめに」の部分だけに過ぎない。本書では2つのパート[原則編]と[実践編]から構成され、6つの原則と11のテクニックが紹介されている。アマゾン送料無料の最低ライン1500円の本書なのでぜひお読み頂ければと思うが、これから数回に分けてここでも書評として本書の紹介をしていく予定なので、よろしければお付き合いしてもらえればと思う。