仮想環境のネットワーク

VMware vSphere4で登場した分散仮想スイッチ(とそれを拡張するCisco Nexus 1000v)により、本格的に仮想環境におけるネットワーク環境も物理スイッチど同レベルの設計・運用が可能になってきていますが、CitrixもXenServer用に同じようなアーキテクチャを持ったオープンソース分散仮想スイッチ"Open vSwitch"を提供することを発表しています。すでにopenvswitch.orgというウェブサイトが公開され、バージョンは0.90.4となっていますが、ソースコードのダウンロードもすでに可能になっています。

Xenそもそもオープンソースプロジェクトとして始まっているので、Citrixに買収されXenServerとして製品化(でもその後基本機能は無償化)されてもXen Hypervisor自体は現時点でもオープンソースとなっていますが、分散仮想スイッチがオープンソースで提供されたのはなかなか興味深いところ。組織の枠を超えて開発を進めることができるオープンソースは様々な機能を急速にキャッチアップできるメリットはありますが、デファクトスタンダード的な立場にならないと企業使用用途として受け入れられづらいという課題もあります。今後Open vSwitchがどのように使われていくことになるのか(使えるようになっていくのか)、楽しみではあります。

対して、VMware vSphere4のネットワークについては、これまでのVMware Infrastructure3における機能を拡張したものとなっていますので、基本的な使用範囲については問題なく受け入れられていますが、新機能の範囲についてはまだユーザにまでは認知が広がっていない状況。仮想化とネットワークの両面の知識が求められるため、ちょっと取っつきにくいのかとも思いますが、VMware自身が@ITでけっこうわかりやすい連載をしています。


分散仮想スイッチが取っつきづらい理由はたぶん物理的な構成と論理的な構成の2階建てだから。これまでの単体サーバの範囲での仮想スイッチレベルであれば物理サーバからの延長線上として理解できないこともないとおもいますが、分散仮想スイッチによって実現される管理はプライベートVLANやポート単位でのVLAN設定など、大幅にネットワークスイッチとしての機能と設定項目が増えており、もはやネットワーク担当者が設計・管理すべきものとなっているといえます。

その他、vSphere4において用意されたネットワーク廻りの新機能について、かなりわかりやすく書かれた記事だと思いますので、ぜひ参照頂ければと思います。