ストレージ専業ベンダー?

NetAppとEMCによるDataDomain買収劇は意外な結末を迎えましたが、まぁそれはいいとして、ストレージベンダーはサーバベンダー以上に競争が熾烈な模様です。ストレージベンダーとしてはEMCとNetAppが本流メジャーどころといえますが、両社ともにサーバベンダーと上手くつき合うことによってポジションを確保しています。買収戦略によって拡大を続けてきたEMCはさておき、NetAppがここまで成長できたのは良くも悪くもNASを基盤として選択したからといえるでしょう。ネットワークプロトコルI/Oをおしゃべりできることにより、サーバに依存せずにストレージを提供することが可能なNASは専用アプライアンスされたことによってエンタープライズ用途に耐えるパフォーマンスを確保することができるようになりました。CIFSもNFSもOK、CALなんてせこいことはいわない。NetAppは最近はNASではなく、FCだろうとiSCSIだろうと、さらにはFCoEだろうと対応するマルチプロトコルストレージ(NetApp的な言い方だとユニファイドストレージ?)であることをアピールしていますが、とはいえNASとして受け入れられたからこそ現在のポジションを確保できたと考えられます。関連して、こちらの記事ではNetAppの説明会を取り上げた記事ですが、あまり資料が出回っていない国内におけるストレージ市場の情報が会社名もろだしで紹介されており、なかなか興味深い情報です。
現在ネットワークストレージはブロックデバイスタイプだとFC,iSCSIが市場を形成しており、FCoEなどが立ち上がりつつある状況、そしてファイルデバイスタイプだと相変わらずWindows系のCIFSとLinux系のNFSが選択肢となります。FCはEMC、NASはNetAppとストレージベンダーはまだまだ強固な立場を確保しているように思われますが、iSCSIをリードしているEqualLogicがDELLに買収されるなど、サーバベンダーも次第にストレージを含めたトータルエンタープライズを標榜しつつあり、なかなか油断ならない状況。今後もストレージベンダーが専業であることの強みを活かしていくことが出来るのか。OracleによるSunの買収など、最近は市場を超えた入り乱れた展開を見せていますので、2年後3年後がどうなっているのかはきっと予想も付かない展開になっているのではないかと思います。