VDIはSBCよりも普及するか?

基本的には6/25のエントリー"Remote Desktop Service + Remote Desktop ProtocolComments"の続きのような感じで。SBCはServer Based Computing、いわゆるMetaFrame / Terminal Server的な仮想デスクトップ方式を指しているつもりです。
Server VirtualizationではvSphere4のリリースにより競合他社を引き離した感のあるVMwareですが、視点を変えてVDI、仮想デスクトップソフトウェアという面で見ると逆にCitrixのXenDesktopが機能面において優位に立っている部分も多々あり、今後立ち上がってくることになると思われるVDI市場がどのような状況となるのか、MicrosoftのVDIを含めて面白い状況になりそうです。
自らVDI製品をリリースすることにより、これまでのCitrixとの協力関係がどのようなものとなっていくのかについては興味深いのですが、当面はVMwareに対向していくために相互に補完し合う関係を維持していく模様。Microsoftがこのような資料を用意してくるところからも、Citrixに対しては一定の配慮をしていることが伝わってきます。

VDI製品において基幹となるコネクションブローカー*1はその名もずばりRDCB(Remote Desktop Connection Broker)。さらにCitrix XenDesktopがXenApp for Virtual Desktopで実現している仮想デスクトップに対するアプリケーションの配信についてもApp-Vで対応してくる様で、XenServerとHyper-Vが非常に同じようなロジックを持っているのと同様にVDIにおいてもXenDesktopとMicrosoft VDIは同じような仕組みを持つこととなります。

将来的に統合されると面白そうなのがVHD Bootの機能とVDIの統合。VDI最大のウィークポイントはネットワークに繋がった状態でないと使えないということですが、いわゆるオフラインデスクトップを実現する方法として、Windows自体を開発するMicrosoftの優位性は色々とありそうです。
さらにMicrosoftは現状、SA契約のオプション的な位置づけとしてVECD(Windows Vista Centralized Desktop)という年間契約型のサブスクリプションライセンスを提供していますが、Microsoft VDIのリリースと合わせてより柔軟なライセンス形態が提供されることになるかもしれません。

セキュリティ・情報漏洩の防止などの面と管理性などの面を踏まえ、企業ユースではVDIは思いの外はやく市場が立ち上がり、一定の普及をみせることになるかもしれません。

*1:VMware Viewの場合はView Manager、Citrix XenDesktopの場合はDesktop Delivery Controllerに該当