VMware vCenter SRM + F5 BIG-IP GTM/LTM

VMwareとF5 Networksの共同検証ホワイトペーパーが公開されています。タイトルは『ディザスタ・リカバリ環境構築のベスト・プラクティス』。VMware vCenter Site Recovery ManagerとF5 Networks BIG-IP Global Traffic Manager / Local Traffic Managerを用いたディザスタ・リカバリ対応インフラ環境の構築についてまとめられており、実際の設定手順を含めた参考になるホワイトペーパーとなっています。

SRMは仮想化インフラレベルのディザスタ・リカバリを提供するツールですので、個々の仮想マシンについて個別に制御することはできませんが、その分、逆に「インフラ」がディザスタ・リカバリに対応しますので、インフラ環境全体を単一の仕組みで災害対策を講じることが出来ます。個々のシステムについて1つ1つ考えていてはディザスタ・リカバリ環境はいつまでたっても出来上がらないというようなことになりかねませんが、SRMによるディザスタ・リカバリはまずは災害対策環境をつくってしまい、その後、テストを行うことによって確認をしていく、という流れでディザスタ・リカバリの仕組みを構築できるというメリットもあります。
SRM自体はストレージ自体のレプリケーション機能と仮想マシンの制御を連携させるだけのシンプルな製品ではありますが、事前にディザスタ・リカバリ時の制御フローを定義しておくことにより緊急時の対処を単一操作だけに落とし込むことが出来る点がこの製品の価値といえるでしょう。…が、この製品最大の弱点がネットワーク制御の部分。IPアドレスを変えるぐらいの制御はできますが、多くのアプリケーションは定義ファイルやDNS連携など、様々なかたちの通信制御情報を保持していますので、そうした情報を全て修正するような仕組みをつくることは大変難しい。そこでBIG-IP GTM/LTMの出番、となるわけですが、ここから先はホワイトペーパーをお読み下さい。コストさえ支払えるのであれば、SRM+GTM/LTMは非常に優れたディザスタ・リカバリソリューションだと思います。松竹梅の3パターンの提示もされていて、日本モノらしいかんじに仕上がっていますよ(^_^;)。