VMwareの次なる一歩

VMware Infrastructureの次期バージョンにおいてどのような機能が提供されることになるのか、まだほとんどの情報は公にはされていませんが昨年のVMworld 2008以降、いくつかの目玉機能については情報が小出しに提供されています。
大きなウリになることが確実である3つの目玉機能"フォルトトレランス機能(Fault Tolerance)","分散スイッチ機能(vNetwork Distoributed Swtich)","ホストプロファイル機能・Linked VC機能"についてはβ版での実機操作の模様がムービーとして公開されており、どっと情報の提供が始まるまでの間の欲求を満たす上でも?観る価値はあるのではないかと思います(まだ2008年10月時点のβ版ですので、正式版ではさらなる改善が進められているとは思いますが)。
FT機能がたいした手間暇なく簡単に使えるようになれば、クラスタテクノロジーは大きな転換点を迎えることになるかもしれません。FTServerのような機能を1つのライセンスで複数の仮想マシンに対して容易に適用できるようになれば、ホストやストレージなどの単一障害点を完全に排除した「完全な」可用性を確保できることになります。
分散スイッチ機能についてはCiscoVMware環境に対して提供するNexus 1000Vに注目が集まっていますが、VMwareが標準で提供する仮想スイッチの進歩にも注目したいところです。機能の充実はNexus1000Vに譲るとしても、基本機能を押さえ、仮想環境にさらに最適化された仮想スイッチの次のステップをぜひ標準提供される仮想スイッチにおいても実現して欲しいものです。
ホストプロファイル機能は派手さはありませんがこの機能が与えるインパクトは大きいのではないかと思います。ベースラインとしたプロファイルとの比較での設定情報比較や、確実な共通設定の適用などがユーザ自身の手で何も考えずできるようになったとしたら、SIerはどうすればいいんでしょうね(^_^;)。
2009年以降、Microsoftの追撃も厳しくなってきそうですが、VMwareには事実上のデファクトスタンダードに近いシェアを創り上げたことによるアドバンテージはまだまだ有効でしょう。様々な拡張機能の充実も重要ですが、基本機能のレベルで明らかな差をつける必要性にも迫られており、VMwareが予定されている各新機能をどのようなライセンス形態で、どのような価格で提供することになるのか、仮想化市場の趨勢はこの1,2年でより明確になっていくのではないかと思います。