オンデマンド検証センター?

Amazon EC3 / S2じゃないけれども、最近は自社の検証施設でも実機を目の前にして作業することは少なくなった。というか、基本的に実機どころか機器が設置されている場所に立ち入って作業することが、物理的な検証が必要な場合以外は基本的にない。インターネット経由で機器を操作できるので、別のオフィスにいても、(嫌だけど)自宅にいても機器を操作することが出来る。そういう意味で、現地に行っても100Km彼方でも出来ることは同じだ。
お客様先で作業するとき以外はディスクメディアを使用することも基本的にない。Deamon ToolsでISOファイルをマウントできるし、仮想化であればISOファイルを簡単にメディアとしてマウントさせられる。データの保管や用意もファイルサーバにどんどん置いておけるし、そもそも現地にいないのだから逆に物理媒体はデータ化してしまわないと使えない。
SSHリモートデスクトップだけでなく、サーバのリモート管理ツールを使うことによって、再起動操作やBIOSレベルの設定、ファームウェアの適用なども問題なくできる。ストレージ装置などの周辺機器もそのほとんどがWebブラウザインターフェイスTelnet/SSHインターフェイスがあるので全く問題ない。
唯一物理作業をしないといけないのは配線作業だが、これも基本構成を決めて配線してしまっておいてあとはどうにかするというスタンスで望めばいい。お客様の所に導入するのであればしっかりとした設計が必要だが、検証環境なのであれば(パフォーマンス検証などを実施するのでない限り)極論つながりさえすればいいわけだ。
すでにアプリケーション検証は仮想マシン環境で行われることが多い。数多くのシステムを必要とする検証も、ほとんど仮想マシンでできる。たとえばストレージ接続が必要なマシンだとしても、iSCSIソフトウェアイニシエータでどうにかなる。
サービスの裏側には実体が必ず必要であり、それは今後もなくなることはないが、次第にいかようにでもなる柔軟度が高まってきている。ハードウェアは次第に物理的な制約を乗り越えつつあるが、同時に実体が見えづらくなってきているとも言える。
はたして10年後にはどんなインフラがブームになっているんでしょうね。