書評:『絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク〜データベースはこう使っている』小田圭二/翔泳社DBマガジンセレクション

絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク~データベースはこう使っている (DB Magazine Selection)

絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク~データベースはこう使っている (DB Magazine Selection)

DBマガジンセレクションとして、月間DBマガジンの特集記事に加筆・再編集した書籍なので基本的に「DBは理解しているもののOSやストレージ、ネットワークといったDBを支えるインフラ部分についてもうちょっとちゃんと理解したい」という人向けに解説する内容になっているのだが、DBのみならずx86のシステムインフラに興味のある人であれば誰にでも読み応えのある1冊となっている。

  • 第1章 絵で見てわかるOS〜プロセス/メモリの制御からパフォーマンス情報の見方まで
    • Sellection1 DBサーバにおけるOSの役割
    • Sellection2 システムの動きがよく分かる超メモリ入門
    • Sellection3 より深く理解するための上級者向けOS内部講座
  • 第2章 絵で見て分かるストレージ
    • Sellection1 アーキテクチャから学ぶストレージの基本と使い方
    • Sellection2 ディスクを考慮した設計とパフォーマンス分析
  • 第3章 絵で見て分かるネットワーク
    • Sellection1 ネットワーク基礎の基礎〜通信の仕組みと待ち行列
    • Sellection2 システムの性能にも影響するネットワーク通信の仕組みと理論
    • Sellection3 現場で活かせる性能問題解決とトラブルシューティングの王道
  • 付録
    • OracleデータベースはOS/ストレージ/ネットワークをこう使っている

著者はOracleコンサルタントを務めている人物なので、DBの視点から書かれてはいるものの、本書は単なるDBとのつながりの部分だけではなく、OSやストレージ、そしてネットワークなどのある程度深いロジックの部分にまで触れているので読み応えがある。とはいえ、アプリケーション側から見たOS/ストレージ/ネットワークの注意すべき情報の参照方法などは紹介されているものの詳細なパラメータにまで踏み込むのではなく、あくまでも概念的な解説にとどめられているので、読み物としてそれほどじっくりと読み込まなくても読み進めることが出来る適度な内容になっていて夏休みの読み物としては適度なレベル。
興味がある方は、本書などを読んでからより深いレベルの本に手を出した方が理解がしやすいかもしれない。たとえばこのへんの本はとってもディープだ。

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