書評:『ZOKU Zionist Organization of Karma Underground』森博嗣/光文社文庫

んー、一言に要約するのであれば森博嗣タイムボカンシリーズとでもいえる作品、といってしまったらいいすぎだろうか。でも、読んだ感想としてはそんなかんじ。

ZOKU (光文社文庫)

ZOKU (光文社文庫)

犯罪未満の壮絶な悪戯を目的とする非営利団体《ZOKU》と、彼らの悪行を阻止せんとする科学技術禁欲研究所《TAI》。その秘密基地は真っ黒なジェット機と真っ白な機関車!謎の振動、謎の笑い声、ばらまかれる芸術作品……。いったい何のために?
被害者が気付かないほどのささやかな迷惑行為をめぐり、繰り広げられる悪と正義(?)の暗闘。痛快無比の物語。

わざわざ表紙にまで「長編小説」と書かれているけれども、本作品は5つのシリーズ作品がまとめられた1冊。まるで30分アニメを続けざまに読んでいるような感じで、まさにタイムボカンなかんじ。
森博嗣作品は慣れると普通なんだけれども、もし初めて読むという人の場合、最初にどの作品を読むかによってかなり違うイメージを持つのかもしれない。まぁその作品がいい出会いであればいいのだけれども。
本シリーズはあまり初めて森博嗣作品を読む人には勧めない、ちょっと異色作と言っていいのか、こういう作品こそ森博嗣ワールドだといっていいのか…。まぁそんなかんじなのだ。