Redhat oVirt

仮想化製品は旬なこともあって、次から次へと各社から様々な製品が発表されています。VMwareが市場をリードしていますが、その後ろにはMicrosoft, Citrix, その他わらわら…といったかんじ。意外とすぐに合従連衡・吸収合併が始まるかもしれません。数多くの製品がリリースされていますが、基本的にはVMware, Microsoft以外のほとんどはXenの派生品といえる状況です。Oracle VMも、Sun xVMも、それぞれ独自のカスタマイズやチューニングはされていますが、Xenをベースとしているという点では共通です。Xenは当初、Para-Virtualizationであるがゆえにkernel側で対応が必要となり、LinuxだけがゲストOSとしてサポートされる状況だったため、XenLinux向けの仮想化製品というような認識を持たれてしまっていますが、基本的にはLinuxとは全く別の、独立した仮想化製品です。オープンソースとしてソースコードが公開されているために各社が早急に仮想化製品をリリースするために使用していますが、様々なディストリビューションが乱立することによってWindowsに対するLinuxのように、ユーザの選択を「選択肢が多すぎるが故に逆に」困難にしているといえるかもしれません。
そんな中で、さらにもう1つ、Redhatから"oVirt"という仮想化製品がリリースされました。すでにβ版がウェブサイトからダウンロードできるようになっています。
http://www.ovirt.org/
特徴的なのはXenベースではなく、Linux kernelに統合された仮想化製品であるKVMをベースにしていること。RedhatLinuxスペシャリストな訳ですから、ある意味で正しい選択といえるのかもしれません。KVM事態はLinux kernelに統合されていますので、oVirtはKVMを動作させるために必要なLinux kernelとモジュールを最小限にまで絞り込み40MBというサイズを実現することによって組み込み型仮想化製品としての体裁を創り出しています。これをHypervisor型の仮想化製品というべきなのかどうかはわかりませんが、VMkernelやXenと同じように仮想化レイヤーとして動作するソフトウェアといえますので、競合であることは明確でしょう。
oVirtは組み込み仮想化製品として、ハードウェアベンダーにOEM提供していく方針とのことですが、はたしてハードウェアベンダー各社はVMwareのESXi、CitrixのXenServerに続いてoVirtを採用するのかどうか、あまりラインナップが多くなることは望ましくないわけで、どうなるのか、注目していきたいと思います。
http://www.computerworld.jp/topics/vt/112509-1.html
http://www.virtualization.info/jp/2008/06/red-hatkvmxen-20080620-1.html
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/06/20/007/