書評:『魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge』森博嗣/講談社文庫

古典的ミステリィ作品ともいえる王道的なミステリィに仕上がった一冊。

魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge (講談社文庫)

魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge (講談社文庫)

クロバット飛行中の二人乗り航空機。高空に浮かぶその完全密室で起こった殺人。エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣をめぐって、会場を訪れた保呂草と無料招待券につられた阿漕荘の面々は不可思議な事件に巻き込まれてしまう。悲劇の宝剣と最高難度の密室トリックの謎を瀬在丸紅子が鮮やかに解き明かす!

四季シリーズから逆行している私としては、やっと本作でエンジェル・マヌーヴァと各務亜樹良の登場を迎えた感じ。本作のような、絶対的に限られた空間・組み合わせにおけるトリックとしてはもはや本作におけるやり方しかないと思うのだが、まぁそれはそれということで、本作では瀬在丸紅子がしっかりと謎解きをやって締められているところがよい。
めずらしく、最初から最後まで小鳥遊練夢がその趣味の世界を明らかにしない?貴重な作品でもあります(^_^;)。