人間行動に潜むジレンマ―自分勝手はやめられない? (DOJIN選書 13)
- 作者: 大浦宏邦
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2007/11/20
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- ゲーム理論は相互の利害がお互いに影響する状態に置ける、3要素[プレーヤ][戦略][利得]のステータス変化を扱う
自分↓相手→ 戦略A 戦略B 戦略C 戦略A 1,1 4,2 1,3 戦略B 2,3 0,1 3,2 戦略C 0,2 3,4 2,0
- 自分が戦略Aを採ると仮定する。それに対する相手の最適な戦略は戦略Cとなる
- 相手が戦略Cを採るとすると、自分の最適な戦略は戦略Bとなる
- 自分が戦略Bを採るとすると、相手の最適な戦略は戦略Aとなる
- 相手が戦略Aを採るとすると、自分の最適な戦略は戦略Bとなる
この結果、お互いが相手の戦略を含めて完全に把握しており、かつ相互に最善手を選択するとした場合、自分は戦略B、相手は戦略Aを採り(2,3)の結果となる
→このように、お互いの戦略が相手の戦略に対する最善手となっている戦略の組み合わせを"ナッシュ均衡"という。
ナッシュ均衡=いずれかのプレーヤが自身の戦略を変更したとしてもいずれの利益も増やすことができない戦略の組み合わせ
自分↓相手→ 戦略A 戦略B 戦略A 1,2 0,0 戦略B 0,2 3,2
- この場合、自分が戦略A、相手が戦略Aの組み合わせは、「戦略を変えた側が必ず損をする」ので強いナッシュ均衡である(自分が戦略を変更すると自分の利益は1→0となるし、相手が戦略を変更すると、相手の利益は2→0となる)
- 一方、自分が戦略B、相手が戦略Bの組み合わせは、相手のみ「戦略を変えても損をしない」ので強くないナッシュ均衡である(自分が戦略を変更すると自分の利益は3→0となるが、相手は戦略を変更しても利益2は変わらない)
→強くないナッシュ均衡は安定性に欠ける(上記の例の場合であれば、相手にとっては戦略を変更してもよいと思える状態である)ため、状態変化に弱い
(「強い」ナッシュ均衡の場合、一時的に状態が変化したとしても均衡状態に戻る誘因が強い)