書評:『iPhoneー衝撃のビジネスモデル』岡嶋裕史/光文社新書302

iPhone 衝撃のビジネスモデル (光文社新書)

iPhone 衝撃のビジネスモデル (光文社新書)

まだ世界でも発売されておらず、日本では発売されるかどうかもわからないiPhoneについて評した一冊。とはいえ、非常にすぐれた説明がされているので、本書を読んでiPhoneが実現する(かもしれない)世界を考えてみるにはよいベースとなる一冊といえる。
いわゆるWeb2.0の収益面における課題と、iPhoneによって現実のものとなるかもしれない「すべての機器を制御する窓口となる"フェデレート端末"についてなど、本書で解説されるちょっと先の未来像はなかなか興味深い。

ジョブズは経営者としては傲慢で地に足がついておらず行き当たりばったりだし、技術者としての力量は未知数だが、優秀なグランドデザイナだ。技術がどう発展したら楽しくなるのか(ついでに懐も潤うのか)的確に突き詰め、分かりやすいビジョンとして技術者や利用者に語れるタレントを持っている。
p.209

Appleの製品の魅力はそのエクスペリエンスだ。これだけ人々を惹きつける様々なアイテムを世界に提供してきた会社はない。Macしかり、iPodしかり。そしてiPhoneAppleをどういう会社にしていくのか、私も1ユーザとしてとてもワクワクさせられている一人だ。