Human 2.0

梅田さんの「ウェブ進化論」を読んだ方はぜひこちらも読んで欲しい1冊。

ウェブ進化論は全体的な流れとしてシリコンバレーやネット社会の広がりについて書かれているが、こちらはタイトルのとおり、シリコンバレーで働く人間に焦点を当てて描かれている一冊。
ちょっと文章の書き方が独特なので最初の数ページは読みづらいかもしれないが、慣れれば問題ない。本文は縦書きで、各ページ下部に註がついているのだが、この註が面白い。本文も「こんなすごいことが」というだけでなく、「こんなわらえることが」的な視点もあり、読み物として非常に楽しむことができる。
Blogを編集して作られている本なのだが、Blogをこういうかたちで読むのもなかなかよい。本として書かれたのではなく、Blogとして書かれた文章なので、より生な文章としてシリコンバレーの日常、そしてリアルな生活が伝わってくる。
著者は東大卒、三菱商事スタンフォードMBAマッキンゼーネオテニーと独立コンサルタントになるべくしてなるような人生を歩んできているのだが、そうした人生が一般的になることはないにしても、そうした志向の人生を歩む人は日本でも今後増えてくると思われ、そういう意味でも本書を読む価値はあるだろう。帰省などで電車の中で読むには分量的にも最適な1冊。
先日紹介した岩瀬さんの「ハーバードMBA」とあわせて読むと『この世界』の空気が伝わってくる。

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて