Virtualization.infoが記事をUpしたので、ここ数日は仮想化ブログ界(そんなのあるのか?)ではCiscoが提供するESX上で動作する仮想スイッチ"Nexus 1000V"の話題で盛り上がっています。ソースとなったCisco社員の方のBlogはこちら。
- 物理サーバ上のNexus 1000Vソフトウェアはモジュール型スイッチのラインカードのような動作をし、VEM(仮想イーサネットモジュール)のようなものになる。
- Nexus 1000V VEMは「VMWare vSwitch」機能の直接の後継となる。
- Nexus 1000V VSM(仮想スーパーバイザーモジュール)はモジュール型スイッチのスーパーバイザーエンジンのような動きをする。
- 1つのNexus 1000V VSMインスタンスは、最大64台の物理サーバが集まった1つのESXクラスタを管理する。
- Nexus 1000V VSMは物理アプライアンスにも仮想マシンにもなれる。
- ネットワーク管理者は、ESXクラスタ全体に対応する1つの分散仮想スイッチとしてCisco Nexus 1000Vを(VSMから)管理する。
- どの仮想マシンもNexus 1000V上にある専用の仮想イーサネットに接続し、ネットワーク管理者が仮想マシン単位でトラフィックを表示したり、ポリシーをコントロールできるようにする。これで、仮想マシンはネットワークコネクティビティに関しては物理サーバのように管理できるようになる。
http://www.virtualization.info/jp/2009/02/nexus-1000v20090202-7.html
サーバとネットワークのインフラを仮想化したESXではどうしてもネットワークとサーバの境界が曖昧になります(より正確にはサーバの中にネットワークが含まれるので、境界がずれているだけなのですが担当という区切りでそれに対応することが難しいので結果的に曖昧になる)。
Cisco Nexusはネットワーク通信を統合管理できる機能を持つため、Nexus 1000Vが登場すればネットワーク担当側で仮想スイッチまでの範囲をカバーできることが明確になっていくかもしれません。とはいえ、ネットワーク担当者に対しても仮想サーバの仕組みや構成などを理解することが求められるようになることは確実でしょう。
CiscoとVMwareのデファクトスタンダード連合はさらにポジションを強化できるのか。ESX4.0(…という名称でリリースされるのかもわかりませんが) vs Hyper-V 2.0の戦いが2009年中に始まるのか、はてさて。
(2/9追記)
Cisco Nexus 1000Vについて、Virtualization.infoにより詳細な記事が掲載されました。
- Cisco Nexus 1000VはVirtual Ethernet Module (VEM) と、Virtual Supervisor Module (VSM)の2つのコンポーネントから構成される。
- VEMはVMkernelのモジュールとして動作するL2仮想スイッチ。ESXとESXiの両方をサポート。
- VSMはCisco NX-OS Datacenter Versionの1種として提供される仮想アプライアンス。VEMの管理設定、vCenterとの連携などの役割を果たす。
ACLやQoS、DHCPスヌーピング等々、完全にCisco Switchと互換性が生まれるので、価格設定さえ間違わなければ大規模ユーザを中心にけっこう使われることになるかもしれませんね。