コンセプトからバリエーションへ

本日はちょっと風が強くて寒かったのですが、実際に建てられた木の家のオープンハウスへ。「無印良品の家メールニュース」を購読されている方であれば、vol.118にて紹介されているお宅です。正面からの見た目はまさに白いガルバリウム壁で囲まれた木の家。屋根はちょっと勾配をつけられていましたが、2Fにお邪魔して納得。リビングスペースの天井を標準よりもかなり上げることによって、開放感を出していました。風は冷たかったですが日差しはある1日だったので、家の中は床暖房だけで充分暖かい。やはり床暖房はいいなぁ…というのが素直な感想。
これでオープンハウスは4件目の訪問ですが、おなじ木の家シリーズでありながらもまさに人ぞれぞれ。単純にバリエーションの豊かさという意味では本家である箱の家を超えた展開があります。このあたりは建築家のコンセプトに強く共感した人たちがある意味「忠実に」建てた箱の家と、建築家の拘りが一歩引いてコンセプトというかたちとなり、それぞれの施主の拘りがより強く反映されるようになった木の家の違いといったところなのでしょうか。どちらがよいとも悪いともいうわけではありませんが、木の家がわずか数年で150棟以上展開できた理由はそのあたりにあるのではないかと思います(箱の家は10年かけて実際に建てられなかったものを含めて130棟程度)。
今回お伺いした木の家は「木の家」としてはかなりカスタマイズされた建物。ベースとしては木の家のコンセプトを引き継ぎながらも、間仕切られた各部屋、ベースプランにはないユニットバスや照明器具、ドア、IHヒーターなどを使った拘りの家でしたが、私たちの拘りの方向性とはかなり異なりました。こうしたバリエーションを受け入れられることもまた、木の家の柔軟性と言えるのかもしれません。ま、ベースとなった箱の家のコンセプトを産み出した難波さんがそれを気に入っているのかどうかは別の話ですけどね。