サーバは専用機に?


主にx86/64アーキテクチャのIAサーバは、仕様の標準化によって高いコストパフォーマンスと階層分業を実現したことにより普及してきました。ベンダー各社の製品は多少の差別化や独自技術の搭載はあっても、CPUやメモリ、NIC、HDDなどのほとんどの主要ハードウェアパーツと実行可能なOSにはほぼ差はありません。だからこそどのメーカーのサーバであってもソフトウェアは共通に実行することが可能となり、IAサーバ向けに作られるソフトウェアが増加し、それがさらにIAサーバの増加に繋がる、という好循環に繋がっていたわけです。
ところが最近、次第にサーバは目的や用途に特化した、一種の専用機化する流れが次第に広がりつつあるような気がします。ついには、IAサーバに特化したサーバベンダーであるデルまでが、専用用途向けとして非IAサーバの製品化を検討しているというニュースまでが流れています。

Dell(デル)社は2010年夏に、大規模なデータ・センターに設置する省電力型のサーバ用プロセッサとして、英ARM社のプロセッサ・コアを採用したマルチコア・プロセッサが使用できるかどうか検証する予定だ。この検証では、米Marvell Technology Group社製のプロセッサを使用する。Dell社はこれまでに、台湾のVia Technologies社製のx86プロセッサを搭載した省電力型のサーバを数千台出荷している。

http://www.eetimes.jp/news/3946
性能はそこそこであっても、コストが安いことであったり、低消費電力であったりすることを重要視する場合にはこうした専用仕様とした方が圧倒的な差を出すことができます。OSとしてLinuxを使うことができるとはいっても、IAとは仕様が異なるサーバを使う場合にはある程度アプリケーションレベルでの互換性は犠牲にすることにはなりますが、Webサービス系の用途であればそれほど問題にはならない場合も多いでしょう。
IAサーバがあまりにも高性能になりすぎたが故に、それでは過剰となってしまっている用途向けにはこうした専用機的なサーバが用いられる場面が増加することになるのかもしれません。