クラウドの付加価値って?

@niftyNIFTY Cloudなるサービスを開始しています。NIFTY自身が取り組んできた仮想インフラをサービスとしてリソース貸しする仕組みで、珍しく?基盤としてVMwareを使用していることが明記されています。OSタイプはまずはCent OSのみ、RHELとW2K8 EEが提供予定、mini/small/medium/largeの4段階で仮想マシンのサーバタイプを分類しそれぞれ時間単位と月額の課金体系で提供される様です。

まだ始まったばかりということで、今後提供予定とされているサービスが多いのですが、今後提供予定の機能としてもロードバランサーファイアウォールNFS領域、サポート・監視・バックアップなどとなっているので、サービス内容としては当面はIaaSの域に注力する模様。
…で、サービスに乗り出したことは評価できるのですが、私はこれが果たしてCloudサービスなのかと言われると少し疑問だったりもします。以前にも書いたかと思いますが、果たして仮想マシンを使っているというだけでレンタルサーバとは何が違うのか、時間単位での課金やスピーディな環境提供などといった仮想基盤であるメリットを活かしたポイントはいくつかありますが、よりサービス的なメリットを打ち出さないとCloudとはいえないのではないかと私は考えています。Amazonと同じことをしていてもダメだと思いますし、Googleの規模に対抗することは簡単ではありません。サポートや監視などの面で日本語対応されるなどの点は、日本企業にはいいかもしれませんが、結局レンタルサーバに毛が生えた程度でしかないのだとしたら爆発的なヒットにはつながらないでしょう。
Cloudサービスはセキュリティや利便性を課題として抱えています。サービス面ではAPIの充実やインフラから開発環境までの統合提供、信頼性の面でも稼働率保証などあの手この手で課題の克服に向けた取り組みが積極的に行われていますが、まだまだ社内インフラの代替となるまでには長い道のりが必要そうです。
こちらNikkeiBPの記事などを読んでうがった見方をすると、自社サービスのために構築した仮想インフラの時間軸でみたリソース使用率が偏っているのであいたリソースを有効活用しつつ新規サービスとして育っていけばいいな、ぐらいの考え方で取り組んでいるようにも見えてしまいます。とはいえ、サービスとして何はともあれ開始したことはとても評価できますので、今後どういう展開がされていくのか、気にしてはいきたいと思います。でも、詳細がまだまったく発表されていませんが、livedoorの「ぽこぽこクラウド」の方が期待させられるんですよねー、なぜか。とがったサービスを提供してくれそうだからかな…。