VMware Virtualization Forum / Partner Exchange 2009

んー、市場と製品の成熟というか、VMwareMicrosoftと同様にすっかり「スーツな製品」になったなぁ、というのが一言感想。VI2.5、3.0の入り口ぐらいまでは「ギークな技術」の香りが残っていたような気もしますが、今やすっかり一流の「スーツな製品」。VMwareの経営陣一新もそうした状況の変化に対応するためには必要だったのかとも思ってしまったり。
「スーツな製品」になると、技術としての面白みは次第になくなってしまいますが、逆に製品としての充実度は増してきます。VMware自身が様々なアプリケーションスイート的な製品を拡充しつつありますし、これまでのVMware製品に対する3rd Party製品はいわば「無理矢理」連携させていたようなツールが多かった気がしますが、VMware側がAPIを拡充し、様々な部分で「正しく」連携させる仕組みを用意してきていることによって、次第にスマートに連携しVMware製品を補完するツールが増えてきているように感じました。また、セッションの内容も、以前のように「技術そのものについて」という内容から、「どう使いこなしていくか」という内容へと年々変化してきているように思います。
「スーツな製品」になればなるほど、構築・運用に携わる側の技術レベルは幅広くなっていきます。vSphereは単純なシングルシステムではなく、様々なソフトウェアやツール群が連携して使われる「ソフトウェアなインフラ」レイヤーです。技術の発展において、多くの場合 新しい革新はそれまで区分されていなかったレイヤーが分離され、柔軟性を確保することにより始まっている気がします。たとえば基本システムとアプリケーションを分離させた汎用的なOSの登場、システムからストレージを分離させたネットワークストレージ、ネットワークにおけるVLAN、アプリケーションにおけるフレームワークなどなど…。仮想化はOS環境をハードウェアから分離させ*1、物理レイヤーと密接に結合していた状態からの解放によって柔軟性をもたらし、様々な革新をもたらしています。その切り離した対象がITの根幹たるOS環境であったがために、現在これだけ大きなインパクトを仮想化がもたらしているわけです。
UNIXにおける仮想化技術と比較して、まだまだIAにおける仮想化技術には足りない点が色々とあります。しかし組み合わせの技術で構成されているIAにおける仮想化の革新スピードはとてつもない速さで進むはずです。仮想化市場は創造期から次のステップへと進みつつあります。

*1:アプリケーションの仮想化その他、仮想化には色々ありますが