Client Hypervisorは受け入れられる?

おそらく来年には、CitrixやVMwareなどからクライアント端末用のHypervisor型仮想化製品が提供されている、はずです。当面はプライベートで使うPCではClient Hypervisorを必要とするような人はごく一部の「いっちゃった(^_^;)」ユーザだけに限られるでしょうが、企業向けのクライアント端末では思った以上に受け入れられるようになるかもしれません。OSの上のツールなど(SafeBootとか?)でクライアント環境に制限を加えるよりもより強い強制力で管理ができるようになったり、柔軟な遠隔管理などができれば、クライアント管理業務におけるコストを削減できるはずです。
クライアント端末用のHypervisorはサーバ用のHypervisorと真逆で、同時並列処理性能よりも単一実行処理でいいから物理端末の性能をほぼロスなく引き出せる仕組みが求められます。CPU/Memoryなどの処理やグラフィック性能を引き出す仕組みはほぼ技術的には整いつつありますので、あとはそうした面に加えてクライアント環境の強制力を持った統合管理ツールの提供や、仮想デスクトップ製品との統合など、「儲ける仕組み」の準備が整えばリリースされることになるでしょう。
グループポリシーなどによる制御はどうしても限界があるため、最近ではまだあまり国内では使われていない(でもけっこう見る機会は多い気がする)RESのPowerFUSEや、最近マクニカが国内での提供を発表したRing CubeのvDeskなどといったデスクトップ環境におっかぶせてより柔軟で強制力のあるクライアント環境を提供する類のソフトウェアも出てきています。なんでも仮想化って名乗ればいいってものでもないとは思うのですが、まぁ色々なソリューションが提供され、選択肢があることはよいことだと思います。

クライアントの利便性をできる限り損なわないようにしつつ、セキュリティや管理性などの面をどう確保して運用コストの削減につなげるのか。考えてみるとPC環境の管理において決定的なソリューションはまだ登場していません。Client Hypervisorも最初はまだまだ不十分な、未完成なツールとして提供されるかもしれませんが、すぐに改善されていくはずです。アンチウィルスなどの仕組みやパッチ管理などのやり方も、Client Hypervisorによって根本的に変化する可能性があります。数年後には、Client Hypervisorありきでクライアント端末の管理が考えられるようになっているのかもしれません。