書評:『減らす技術 THE POWER OF LESS』レオ・バボータ/ディスカヴァー21 (7)

さて、(やっと)実践編です。

基礎編

  1. "はじめに"
  2. 減らす原則1 "制限する"
  3. 減らす原則2 "本質に迫ることだけを選ぶ", 減らす原則3 "シンプルにする"
  4. 減らす原則4 "集中する"
  5. 減らす原則5 "習慣化する"
  6. 減らす原則6 "小さくはじめる"

減らす技術 The Power of LESS

減らす技術 The Power of LESS

  • 減らすテクニック1 "シンプル・ゴール"

ゴールを設定するのは簡単だが、達成するのはとんでもなく難しい。実現させる価値があるものほど大変だ。
目標を達成するには、エネルギーと集中力とモチベーションが欠かせない。だが、この3つには限りがある。あなたがどれだけ本気であろうと、その事実は変わらない。

そう、これらの限られたリソースを、いかに維持し続けるかこそが最も重要ですよね。瞬間的にはどんなに熱中できていても、長期的に取り組み続けるためにはテクニックが必要、本書の実践編はそんな指摘から始まります。そしてこの問題に対するテクニックとして紹介される1つめが「ワン・ゴール」方式。1度にひとつのゴールだけに集中することによって、目標達成の効率性を上げるテクニックです。

  1. ワン・ゴールを選ぶ
  2. サブ・ゴールにブレークダウンする
  3. 週間ゴールを決める
  4. 今日取り組むタスクを決める

半年か1年ぐらいで達成できそうな心から達成したいと思う目標を1つ選び出し、さらにその目標につながる1-2ヶ月で達成できそうなサブ・ゴールを設定、さらにタスクともいえる週間ゴールを設定、そして今日のタスクへと、長期的な目標につながりを持った日々のタスクを設定し、それをその日における「最も重要なタスク(Most Important Task:MIT)」として1番高いプライオリティに位置付ける。そうすることによって、長期的な目標に向かって1歩ずつ歩むことができるとともに、同時に日々のタスクを雑用に埋没させてしまうことなくこなしていくことができるようになると本書は唄っています。
この方式の利点は、なんといっても「その日のタスク」をクリアーしていくことが結果として長期的な目標に1歩1歩近づいていることにつながる、という点でしょう。その日のタスクであればゴールも目の前なのでエネルギー・集中力・モチベーションを維持することもそれほど難しくはないですし、タスクの完了による達成感も味わいやすいので、継続的に続けることができます。