書評:『減らす技術 THE POWER OF LESS』レオ・バボータ/ディスカヴァー21 (2)

(1)の続きです。今回から、です・ます調に(^_^;)。その方が読みやすいですよね。

減らす技術 The Power of LESS

減らす技術 The Power of LESS

今回はパート1 "原則編" です。
本書ではまず、増やすのをやめて「減らすことによって成果を上げよう」と始まります。雑多な多数ではなく、価値ある少数によりリソースを割くべきとして、どう減らすのか、その糸口を把握する切り口はどこにあるでしょうか。「もっともインパクトがあることを選ぶ」として、ToDoリストの中から長期的な視点でインパクトがあると考えられるタスクを選択し、1年ぐらいのスパンで描くゴールを基点として逆算的に考える方法などが紹介されています。

「とりあえず片っ端からやる」のはやめて、あなたの人生に意味のあることかどうかをまず考えよう。

制限することは難しいかもしれませんが、意外と一度やってしまえばどうにかなるといえないでしょうか。

  • 減らす原則1 制限する

制限することによるメリットが数多くあるということ。多くは「わかってはいるけど」的な内容ではありますが、そうであっても実際に制限するということは私を含めた多くの人ができていないことといえるのではないかと思います。

    • メリット1 制限すれば、ものごとがシンプルになる
    • メリット2 制限すれば、集中力が発揮できる
    • メリット3 制限すれば、重要なことに的を絞れる
    • メリット4 制限すれば、達成できる
    • メリット5 制限すれば、あなたの時間は大切なのだとまわりに示せる
    • メリット6 制限すれば、効率が高まる

確かにそういったメリットがあることはわかった、じゃぁどうすれば制限できるわけ?というところに対するテクニック紹介こそが、本書の価値です。

人生をまるごと変える必要なんてない。そんなことが失敗に終わるのは目に見えている。一度にあれもこれもやろうとするのは、本書のテーマとは正反対だ。
うまく制限を設けるには「1度に1場面」、それも成功の確率が高そうなところから手をつけよう。

日々処理が必要な、多くの雑多なタスク(メールチェック、電話、プロジェクト、インターネット...)こそ、制限することの効果が高い対象といえます。そういった対象に対して、現在の状態を把握し、目標を定めて試してみて、必要に応じて目標を修正して、ルーチン化するまで続ける。現実的な方法で「制限する」糸口を掴むということ。本書はそこから始まります。