VMware vSphere 4 Released.

5/21、ついにvSphere4がリリースされました。VMware Infrastructure 3 がリリースされたのが2006年6月ですので、ほぼ3年ぶりとなるメジャーバージョンアップとなります(ちなみに、VMware Infrastructure 3.5は2008年2月のリリース)。様々な拡張機能が搭載されるとともに、基本機能も色々と強化されていますが、基本的にはVI3の延長線上としての正常進化版ともいえる仕上がりとなっている感じがします。CPUなどの仮想化支援機能についても最大限フォローすることにより、より仮想化のオーバーヘッドを削減している等、vSphere + Xeon55xxにより仮想化はよりパフォーマンスが向上するとともに集約率を高めることが実現できそうです。

紹介するのも面倒になるくらい(^_^;)の機能追加・強化がされているのですが、最大のポイントは『「自社だけでの機能提供」のステージから「パートナーによる拡張機能提供」を組み合わせたステージへの拡張』だといえるでしょう。「パートナーによる拡張機能」で最も注目されているものはVirtual Distributed Switchを拡張する製品としてCiscoが提供する"Nexus 1000V"ですが、それ以外にもストレージベンダーごとに特徴を持つストレージI/O特性を最適化するためのドライバ・マルチパス制御機能の組み込み(先日ご紹介したEMCのPowerPath/VEなど)や、仮想マシンとvSphere Clientへのアドオンを組み合わせたvAppという細かな拡張機能の組み込みへの対応など、様々なサードパーティベンダーがvSphereを補完する機能を提供することが出来る仕組みをVMwareは用意してきています。これはMicrosoftWindowsデファクトスタンダードのOSとするために用いた手法と同じような効果を生み出すかもしれません。ソフトウェアの世界では最も優れていることよりも最も標準化されていることこそが最大のロックイン要素といえるのですから。
さて、vSphere4.0, Hyper-V2.0, XenServer5.5, そしてはたしてどうなるのかOracle(w/ SunMicrosystems, VirtualIron)など、主要キャストがそろい踏みして熾烈なシェア争いは次のステージに突入していきます。あー、追いかけるのは大変だ。