Cisco Unified Computing System

噂のCiscoブレードサーバ"Unified Computing System (UCS)"がついに発表されました。HPのBlade System c3000シリーズにも似た、横挿入型ブレードを8台搭載(2倍のスペースを必要とするフルハイト型だと4台、混在可だと思う)できるブレードサーバとなっています。

既存のサーバベンダーを相手にどれだけ売れるのかは興味深いところですが、CiscoとしてはNetwork/Storage/Serverを統合したまさにUnifiedな市場を作り出すことを目指していると思われますので、各ハードウェアベンダーがどのように対抗してくるのか、また協業してくるのかがより興味深いところではあります。ProCurveシリーズを強化しているHPは完全に全面対決、Intelともブレードサーバにおいてパートナーシップを持っているIBMは静観、ブレードサーバではやっと土俵にのった状態でコンパクトシャーシをそのラインナップに持たないDELLはもしかしたら…、といった感じになるかなぁ…というのは想像が飛躍しすぎでしょうかね。
http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns944/index.html
http://www.cisco.com/cdc_content_elements/images/products/data_center/ucs_component_large_photo.html
http://www.virtualization.info/jp/2009/03/ciscounified-computing-system20090316-7.html
http://www.atmarkit.co.jp/news/200903/17/cisco.html
http://www.computerworld.jp/topics/srv/138569.html

(4/8追記)
CiscoのUnified Computing Systemに関して、国内でも発表され情報が色々と出てきました。

UCSは、同社のネットワーク技術をベースに、サーバーやストレージアクセスなどをひとつのシステムとして提供するもので、同社初のサーバー製品が含まれているのが特長。UCSの統合管理機能を搭載した「UCS Fabric Interconnect」、複数のブレード形状をサポートしたサーバーブレード「UCS Blade Server」などで構成されている。

http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/hardware/2009/04/07/15309.html

UCSでは、6Uサイズのシャーシ「UCS 5100」にハーフサイズのブレードを最大8枚、フルサイズのブレードの場合は最大4枚搭載する。フルサイズのブレードのみ独自のメモリ拡張技術を搭載し、メモリを最大384GB搭載できる。「独自のメモリ拡張技術」とは、12のメモリスロットを4倍の48スロットに増やす多重化ASICだという。スロット数が増えるため、これほどのメモリ容量が必要ない場合も、安価な2GBメモリモジュールを使ってコストを節約できる。

http://www.atmarkit.co.jp/news/200904/08/cisco.html
Ciscoは単なるサーバベンダーとしてブレードサーバを提供してもただの後発ベンダーとなってしまうことを充分に理解していますので、UCSとしてネットワークとサーバをシームレスに統合したシステムインフラとして提供しようとしています。4枚のメモリを1つのスロットとして使うような仕組みは面白い特徴ですが、UCS最大のポイントはここではありません。

各サーバブレードにはCNA(Converged Network Adapter)を装着し、ここからシャーシ背面のイーサネットスイッチモジュール「Cisco UCS 2100 シリーズ ファブリックエクステンダ」を経由して、外との通信を行う。CNAは4社の製品から選択でき、シスコのCNAにはVMware ESX上の各仮想マシンのI/Oをハードウェアで直接制御するとともに、VNLinkのタグ処理を行う機能を搭載する。他社のCNAを装着する場合は、 VMware ESXにインストールしてVNLink対応を実現するソフトウェアスイッチ「Nexus 1000V」を利用できる。

CicsoはUCSを使ってサーバ環境におけるネットワーク統合をより積極的に推し進めるとともに、そのデファクトスタンダードの地位を確立することを目指していると思われます。UCS5100ブレードシステムが急速にシェアを獲得するとは思えませんが、1台でもインフラに組みこまれればCNAを意識したネットワークが設計されるようになり、Nexusの普及にも効果を及ぼす可能性があります。ネットワークベンダーとして受け身でいつづけるのではなく、統合されたネットワークを活用できるサーバシステムにまで踏み込んで提供することにより積極的な普及を果たそうというCiscoの取り組みはなかなか興味深く、今後数年は状況を注視していきたいと思います。

UCS 6100の40ポート版は拡張スロットを持ち、FCoE―FC変換モジュールも提供するという。UCS 6100はNexus 5000と同一のアーキテクチャに基づいていて、シスコのサーバを使う場合はUCS 6100、他社のサーバを利用する環境ではNexus 5000という棲み分けになる。

UCSでもNexusでもいいのですが、現状のEthernetとFiberChannelに分離したネットワークの統合にこれで拍車がかかるのか、Ciscoとサーバベンダーの関係はどのようになっていくのか、興味深いところです。