ネットワーク関連でいくつかのニュースが流れている。
米Cisco Systemsと米Dellは1月27日（スペイン時間）、提携を拡大し、共同で次世代ITソリューションを提供すると発表した。LANやSANを統合したユニファイドネットワークにより、データセンターのインフラ管理を簡素化するという。
既存の提携Solution Technology Integratorを拡大。Ciscoのデータセンタースイッチシステム「Cisco Nexus 5020」をDellのPowerEdgeサーバー製品、EqualLogic、PowerVault、Dell/EMCの3ブランドで提供するストレージ製品など統合して提供する。
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/foreign/2009/01/29/14799.html
Dellはスイッチ製品ラインナップとしてPowerConnectを持っていますが、ハイエンド向けやより高機能を求める範囲についてはCiscoと提携する道を選択したのでしょうか。VMwareの次期製品の登場が迫っていることもあり、この時点でCiscoとの連携を強化したDELLの選択は注目に値します。仮想化やクラスタ・クラウド化などが普及し始めたことによりFCoEや基本的なスイッチング機能を超えた範囲のネットワーク機能を必要とする場面は今後より増えてくるはずです。本業ともいえるサーバ分野にリソースを集中し、その周りをデファクトスタンダードといえる製品を持つパートナーと提携して補完していく。互換性が双方のベンダーから保障されるのであればこの選択はユーザにとってもメリットになるといえると思います。
- HP
日本ヒューレット・パッカード株式会社（以下、日本HP）は1月29日、次世代データセンター構築を促進するネットワークスイッチ新製品「HP ProCurve 6600 Switchシリーズ（以下、ProCurve 6600）」、およびネットワークの管理製品「ProCurve Data Center Connection Manager（DCM）」を発表した。併せて、さまざまなパートナーのネットワークアプリケーションをProCurve上で稼働させ、ネットワーク環境を統合する「ProCurve ONE（Open Network Ecosystem）」も提供するとした。
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/network/2009/01/29/14805.html
対して、HPは自社のスイッチ製品ラインナップであるProCurveをハイエンド・多機能に強化する方向に進めています。とはいえ、HPだけで顧客ニーズを満たすことが難しいのも事実。それに対して、HPは"ProCurve ONE"によって「ProCurveにパートナーのネットワークアプリケーションを取り込む」というかたちを打ち出してきました。
モジュール型ディスク「ProCurve ONE Services zlモジュール」には、Core 2 Duo T7500、4GBメモリ、4Gフラッシュメモリ、250GB HDDなどが内蔵されており、「サーバーinスイッチ」として利用する。なお、ProCurve製品ではライフタイムハードウェア保証が提供されているが、同モジュールにもこの保証が適用されるとのこと。
このアライアンスに参加するのは、Microsoft、Avaya、F5、Riverbed、McAfeeなど。各社がアプライアンスとして提供しているネットワーク関連製品のアプリケーションのみをProCurve ONE Services zlモジュールに乗せることができる。
MicrosoftからはWindows Server 2008の「Network Policy Server（NPS）」が提供される。ProCurve機器およびソリューションと組み合わせることで、IDベースのネットワーク管理が実現するという。そのほか、Avayaからはユニファイドコミュニケーション、F5からはアプリケーション配布制御および負荷分散、RiverbedからはWAN最適化のアプリケーションが提供される。いずれも2009年中をめどにProCurve ONE Services zlモジュール対応版をリリースする予定。日本HPがテストを行い、認定済みアプリケーションとして相互運用性を保証する。
参加パートナーもしっかりと各分野のトップベンダーを押さえてくるところはさすがHP。各パートナーの製品を組みこみ認定までしてくれて動作を保証してくるとのことなので、これでワンストップサポートを提供してくれるのであれば競合ベンダーにとってはかなりの強敵になりそうです。
