OracleがXenをベースとした仮想化ソフトウェア、Oracle VM 2.1.2をリリースしました。
プレスリリース:
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1942
昨今の仮想化製品が共通に備えている機能を一通り押さえたことにより、Oracle VMは現実的な選択肢になったとOracleは訴えていますが、はてさて、Oracle VMはどれだけ使われるようになるのでしょうか。
Oracle VM 2.1.2で追加された主な機能は以下の通りです。
- HA機能(物理ホストのダウン時における仮想マシンの自動再起動)
- 仮想マシンのライブマイグレーション機能(暗号化によるセキュリティ確保を含む)
- 仮想マシンにおけるRAC構成のサポート
- 仮想マシン単位でのリソース管理(ネットワーク帯域幅のリミット定義、ディスクI/Oの優先順位付け)
- リソース配分のロードバランシング機能(起動時の実行ホスト選択)
- P2V機能
- V2V機能(VMware仮想マシンのOracle VM仮想マシンへの変換)
- 構成済テンプレートの拡充
ユーザにとっては、VMware VI3やHyper-V、XenServer上で一定の条件を満たせばOracleの実行をサポートすると表明してくれた方がメリットがあると思うのですが、OracleはOracle VMによる垂直的な統合サポートを今後も目指していく模様です。Microsoft SVVPプログラムによる認定を受けることや、PVドライバの提供など、これまでOracle VM上で実行できる仮想マシンのゲストOS部分はLinux系に限られていた部分についても対応を推し進めようとしています。うーん、Oracle VMがOracleにメリットをもたらすことになるのか、まだまだ正しい解答は見えてきません。
VMware ESX, Microsoft Hyper-V, Citrix XenServerが3大仮想化製品として扱われていますが、Oracle VMなどの特化したタイプの仮想化製品は今後どうなっていくのかまだ市場の行く末が明確ではないという点が、ユーザにOracle VMの使用を決断することを躊躇させる最大の要因といえるでしょう。
ま、まだまだこれからの市場ですのでどう転ぶかもわかりませんけれども。