書評:『プラネット・グーグル PLANET Google』ランダル・ストロス/NHK出版

日米同時発売だとか。通勤本。

プラネット・グーグル

プラネット・グーグル

Googleを技術面ではなく企業という存在として捉えてインタビューや様々な情報を総合して解説する1冊。著者はニューヨーク・タイムズなどに連載をもっている大学教授。Google分析本は世の中に無数に出回っているが、本書はそうした本の中でも王道的なGoogleの過去・現在・未来に渡る野望を分析することに主眼が置かれている。

そんなに新しい発見があったわけではないが、本書を読むとさらにもう一歩、Googleという会社がよく見えてくる。GoogleのサービスであるGoogleはインターネットの先にあるが、Googleという会社は人が創る、試行錯誤を繰り返して失敗もするリアルな存在だ。
Googleの次のステップは明らかにされていないが、Googleのこれまでの取り組みの裏がわにはどんな経緯があったのか、本書から見えてくるGoogleは意外と人間味に溢れている。
はたしてGoogleの何が特別なのか…Googleが特別だというよりも、Googleによってかいま見せられる次のステップの情報社会にたいする警戒や関心こそがGoogleに対する人々の意識だといえるのかもしれない。