小学館101新書創刊の1冊目として用意されたのはこちら。当然ながら?Chabo!の一冊となっていて、かつおきまりのようにオビには著者の写真付き。ぃやぃや、さすがの拘りようです。
読書進化論?人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか? (小学館101新書)
- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/10/01
- メディア: 新書
- 購入: 10人 クリック: 79回
- この商品を含むブログ (222件) を見る
- 序章 成功や自由は、読書で手に入れる
- インターネットと本
- 本ほど人生の疑似体験ができる身近なツールはほかにない
- 本は「成功への投資」
- 第一章 人を進化させる読書がある
- ウェブ時代の本と書店の再定義
- 自分を進化させる本とリアルな出会い方
- 読者が進化して著者になると、上場株(=パブリックな人材)になる
- ウェブで発見され、約1年で150万部の売り上げに
- 再現性が高い本は読者に"ご利益"をもたらす
- 勝間式 書店ぶらぶら歩き? 「リブロ青山店」編
- 第二章 進化している「読む」技術
- フレームワークがない読書は身につきにくい
- 本選び基準のひとつは「ウェブや友だちの話より質が高いかどうか」
- 良書との出会いが読書体験を豊かにする秘訣
- 自分の読書レベルに合った読み進め方がある
- 多読や速読など、「読む」技術について
- 「読んでおしまいにしない」が究極の技術
- 第三章 「書く」人も進化する
- 深い話を広く伝える手段として、本は最もリーズナブルな流通形態
- 文章力はブログやメールで進化させることができる
- 書店は宝の山。"本のコンシェルジュ"を活用するのも手
- 勝間式「相手がわかりやすく読みやすく書く」ための4つの技術
- 技術?「自分の事例」「アンソロジー形式」を利用して、親しみを持たせる
- 技術?「役に立つフレーズ」を必ず入れ、読書だけに体験を閉じない
- 技術?「共通体験」や「流通していることば」を使って行動を促す
- 技術?「コンテンツ力」と「編集力」で進化していく
- ウェブで発見されて著者に進化するには
- 第四章 「売る」仕組みを進化させる
- 終章 これから「読みたい」「書きたい」「売りたい」と思っているみなさんへ
- 読書の進化形、印税付プログラム
- すべての人にフェア(公平)な可能性を秘めている「読書」の世界
- 私を進化させた20人の著者
- 巻末資料
- おわりに
本の価値を伝える作品として、本書はとてもいい出来なのだけれども、最も残念なことにそうした想いを伝えたいあまり本をよまないような人にはなかなか本書も手にとってもらえないであろうということだろうか。
一昔前であれば「本には世界の半分がある」などといったものだが、今やウェブの時代となって電車のお供にもDSやPSPを持ち歩いている人がだいぶ増えてきた。しかし未だに、本は最も携帯性と柔軟性の高い知的グッズといえるだろう。電源はいらないし、自分のペースで扱うことができる。単価も非常に安い。様々な形態・ページ数・フォーマットの本があるが、1日あたり数百円ぐらいとして考えることができる本はまだあと10年ぐらいはこのポジションを守ることができるのではないかと思う。
とはいえ、ウェブとの連携や棲み分けはますます重要になってくるだろう。小説などはともかく、ビジネス本やノウハウ本はますます売れる本と売れない本の差が明確になってくるだろう。ある意味で、質の低い本が淘汰されていくようになるわけでいいことだとも言えるが。
本の1冊1冊はその効果が明確に数字として表れるわけではないが、やはり本を読む習慣はたとえ収入などに結びつかないとしても、人生をより豊かなものにしてくれるものであることだけははっきりしていると私は考えている。