XenServer5.0が示す1つの方向性

XenServer5.0ですが、意外といい進歩を遂げているなと思い始めています。これまでは完全にVMwareの後追いでしたが、XenServer5.0ではVMwareでは実現されていない様々な機能も搭載されてきて、各社の仮想化製品の個性が次第に際立ち始めていています。
そんなXenServerの個性をくくって表現してしまえばパートナー連携の徹底。先行するVMwareを追いかける立場のCitrixとしては、全てを自社内での開発でカバーすることは難しいと判断したのか、良いところ取りのようなかたちでパートナー技術を組み入れています。たとえばHA技術はMarathon、スナップショット連携のバックアップ機能はDell EqualLogicとNetAppなど。各ベンダーも連係機能によって差別化も出来ますし、色々とアピールする要素になりますので、XenServerの普及には相乗効果が見込めそうです。HAの部分についてはVMwareがVI4.0での搭載を目指している完全なFTと同様の技術を今後取り入れてくる見込みですし、現在はEqualLogicとNetAppしか対応していないAPIアダプターを通じたストレージ機能との連携についても、今後さらに各社との連携を拡充してくるでしょう。ストレージ連携の部分はまだスナップショットの取得などでGUIが完全対応していないなどありますが、ストレージ側を設定して、それを仮想化製品側で認識・フォーマットして…という手順がどうしても必要だったこれまでの状況に対して、こうした取り組みは1つのあるべき姿を示しているといえます。
あらを探せばまだまだ改善の余地はあるXenServerですが、それだけに今後の独自進化の方向次第では一定のシェアを占める仮想化製品になるかもしれません。