書評:『サイコロジカル〜兎吊木垓輔の戯言殺し』(上)・『サイコロジカル〜曳かれ者の小唄』(下) 西尾維新/講談社ノベルス

あー、やっちまった。待っていられずにノベルズに手を出してしまった…。

サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し (講談社ノベルス)

サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し (講談社ノベルス)

サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄 (講談社ノベルス)

サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄 (講談社ノベルス)

「きみは玖渚友のことが本当は嫌いなんじゃないのかな?」
天才工学師・玖渚友のかつての「仲間」、兎吊木垓輔が囚われている謎めいた研究所−堕落三昧斜道卿壱郎研究施設。友に引き連れられ、兎吊木を救出に向かう「ぼく」こと"戯言遣いいーちゃん"の眼前に広げられる戦慄の"情景"。
しかしその「終わり」は、さらなる「始まり」の前触れに過ぎなかった−!

ライトノベルなめてました、すみません(^_^;)。
普通の?小説と違い、量産型のライトノベルはいわゆる中高生向けのお手軽入門編小説だと思っていたんですが、もしかしたら文学の最先端は個々にあるのかもしれません。
作中の登場人物たちは名前はまぁもちろん、行いもかなり"壊れ"気味。若者向けに読まれるということは、それだけ若者を熱中させられるだけの魅力が必要なわけで、ストーリーも展開もキャラクターもゲームやテレビドラマなんかよりよっぽど強烈だ。西尾維新の場合は、単にそれだけに留まらずに登場人物の精神思考もかなり崩壊気味なので、ある意味で与える影響は強烈。見た目に反してセンシティブな不安定さを持つ若者にはいい刺激だが、少々刺激が強すぎる気がしないでもない。まぁどんな想いを持つにせよ、作者に責任はないし、そうした強烈さこそが西尾維新の魅力と言えるのだけれども。
…ということで、ノベルズ版の場合はあと2作品4冊で戯言シリーズは完結。…やばいなぁ…。