仮想化はこの勢いのままApplicationレイヤーの仮想化にまで突き進んでいくの?

Thinstall社をあっという間に買収、そして統合したVMware社は7月16日、同社初のアプリケーション仮想化製品である「ThinApp」(旧「North Star」プロジェクト)を正式に発売する。

http://www.virtualization.info/jp/2008/07/vmware-thinapp-40-20080716-1.html
Server Virtualizationとは逆に、Microsoft Softgridを追いかける形でリリースされたVMware ThinApp。いずれも仮想化の次の一歩、アプリケーションの仮想化ツールだ。
サーバの仮想化はVMware Infrastructureによって急速に市場を拡大しており、MicrosoftHyper-Vのリリースによってさらに拍車がかかるものと思われるが、はたしてこの流れはアプリケーションの仮想化にまで連続的に続いていくのだろうか。
サーバの仮想化はハードウェアとOSの間に仮想化レイヤーを挟み込むことによって分離する。対して、アプリケーションの仮想化はOSとアプリケーションの間に仮想化レイヤーを挟み込むことによって分離する。サーバの仮想化がハードウェアの更新による束縛からシステムを分離したように、アプリケーションのOSからの分離は、OSの更新や様々なバージョンのOSがあることに起因したアプリケーションの複雑な管理の手間からの解放する…ということがうたわれているのだが、サーバの仮想化と同じように考えてはいけないだろうとは思う。
Windows, Linux, Solaris, Netwareなど、何種類かあるとはいえ限られたOSに対応すればよいサーバの仮想化に対して、アプリケーションの仮想化は制約条件が非常に難しい。アプリケーションによっては非常に複雑にOSと絡み合っている。単純にAPIやDLLでつながるだけではなく、デバイスドライバやかなりきわどいシステムコールまで駆使されたアプリケーションがはたして問題なく仮想化できるのか。まだまだ見極めが必要だ。
アプリケーションの仮想化という市場でいえば、FastScale Composer Suiteなども面白い。仮想化と、アプリケーションからみた形での最適化による、アプライアンス化という意味では、こうした製品によって蓄積されたナレッジはたとえこの製品が成功しなかったとしても後続製品につながっていくだろう。