Hyper-VはMicrosoftの未来を救うのか?

MicrosoftからHyper-Vがリリースされました。
http://www.microsoft.com/Hyper-V
http://www.microsoft.com/presspass/features/2008/jun08/06-26hyperv.mspx
Hyper-V単体としても、28ドルで提供されるということでVMware ESX / ESXiとの価格差が話題になったりしていますが、実際にHyper-Vを使用したい場合は別途Parent Partiton用として使用するWindows Server 2008が必ず必要なわけですから、単純な比較はできないといっていいでしょう。
製品としての完成度という意味では、基本機能は満たしているものの、完全なホットマイグレーション機能などの拡張機能についてはVMwareに追いついていません。しかし、Microsoftは今後、次々とそうした機能を搭載し、すぐに追いついてくるものと思われます。なんといっても、市場を切り開くのはあまり得意ではないMicrosoftですが、先行者を蹴落とすのはとっても得意ですし(^_^;)。
Microsoftが凄いところは、ありとあらゆる評価にさらされながらも、一定のクオリティを満たしたソフトウェアを作り続けているところです。たとえ多くの問題があるとしても、これだけ多くの企業にビジネス環境として使用され、多くの個人ユースにも使用されていることは普通に思っていますが、その普通を維持し続けていること自体、考えてみればとても評価されて良いことなのではないかと思います。VMwareがリードする仮想化市場ですが、ソフトウェアのクオリティを確保するMicrosoftが今後、じわじわとにじり寄ってくる展開になるかもしれません。特に管理面などについては最近のMicrosoftが最も力を入れている面ですし、サーバアプリケーションも持つMicrosoftが統合された管理ツールを武器にしてくることは確実でしょう。
Hyper-VでサポートされるゲストOSについても、Windows2000ServerSP4以降の各エディションや、 WindowsXP SP2以降のクライアント系OS、そしてSuSE Linux Enterprise Server 10 SP1以降など、十分とはいえない(特にLinux関連)ものの、RC版よりはサポートが拡大されています。
http://www.microsoft.com/windowsserver2008/en/us/hyperv-supported-guest-os.aspx
Hyper-Vの評価はこれから始まります。安定性や管理性、そしてパフォーマンスなどの面において、十分なクオリティを満たしたソフトウェアとして仕上がっているのか、これからが本当に面白い展開です。